生活者1万人を対象とした「第10回 魅力度ブランド調査」結果
企業の魅力は、購入/投資/就職行動に影響 特に「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」がポイント
2025年10月20日
企業広報戦略研究所(C.S.I.)
(株式会社電通PRコンサルティング内)
生活者1万人を対象とした「第10回 魅力度ブランド調査」結果
企業の魅力は、購入/投資/就職行動に影響
特に「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」がポイント
企業広報戦略研究所(所長:阪井完二、所在地:東京都港区、株式会社電通PRコンサルティング内)は、生活者が企業のどのような活動や事実(ファクト)に魅力を感じ、どのように伝わっているのかを解析することを目的に、本年6月から7月にかけ、全国1万人を対象とした「第10回 魅力度ブランド調査」を実施しました。
魅力度ブランド調査※は、当研究所が開発した魅力度ブランディングモデルに基づき設計され、2016年から毎年調査を行っています。本リリースでは、200社を対象とした生活者調査の結果から、魅力度スコア、業界の傾向、魅力を感じた情報源などについて分析しています。
※魅力度ブランディング調査より名称を変更
今年は2018年以来、2度目となるモデルの改訂を行いました。コロナ禍を経て世界情勢も大きく変動したことから、企業の魅力に対する生活者などステークホルダーの意識・行動の変化を鑑みて再構成しました。
調査結果のポイント |
1.3つの魅力要素の中では、「人的魅力」が最も高い 魅力領域別では「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」がTop3
2.魅力を感じたら、約7割が何かしらの行動を起こす 行動した人の約1/3が「商品やサービスを購入・利用」
3.購入/投資/就職行動に影響する魅力は 「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」が共通。投資・就職には「フロンティアスピリット」も
4.購入には「リアル」、投資には「メディアの番組・記事」、就職には「オウンドメディア」「ソーシャルメディア」が効果的
5.「イシュー対応」重視や「技術」重視、「コスパ」「安定・透明性」重視など、魅力は業界ごとに特徴が見られる
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第10回 魅力度ブランド調査
~全体結果~
1.3つの魅力要素の中では、「人的魅力」が最も高い
魅力領域別では「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」がTop3
全国の生活者1万人が、200企業について感じる魅力を調査した結果、最も多かった魅力要素は「人的魅力」で、全体の 37.1%となりました。次いで、「商品的魅力」が33.4%、「社会的魅力」が29.5%でした。【図表1】
3つの魅力要素の内訳を領域別で見てみると、「人的魅力」がTop5のうち3つ含まれており、最も多い構成となっています。 ランキング順位としては、「社会的魅力」の「イシュー対応」がトップとなっています。【図表2】
また、魅力項目で見てみると、「経営が安定している」(44.5%)が第1位、「生活に欠かせない商品・サービスを提供している」(41.5%)が第2位、「品質に信頼がおける商品・サービスを提供している」(39.1%)が第3位と、人的、社会的、商品的の3つの魅力がTop3に入る結果となりました。【図表3】
研究所Insight
経営の安定や生活に必須な商品・サービスの選択率が高い傾向は、国内の米不足問題や物価高、さらには国際関係・関税・経済安全保障問題などから、生活者の不安が高まった結果と考えられます。こうした情勢で企業は、イシュー対応、技術力、フロンティアスピリットなど各側面から、未来への希望の道筋を生活者に示す必要が高まっていると考えます。
第10回 魅力度ブランド調査
~魅力を感じた後のアクション~
2.魅力を感じたら、約7割が何かしらの行動を起こす
行動した人の約1/3が「商品やサービスを購入・利用」
生活者が企業の魅力を感じた後、どのような行動を取ったかを聞いたところ、「特に何もしていない」と回答した32.3%を除く、約7割(67.7%)の人が、何かしらの行動を起こしていることが分かりました。
魅力を感じた結果、“行動した”人の内訳で最も割合が高いものは、「購入または利用した」(33.3%)で、次いで「購入または利用を検討した」(29.8%)、 「企業や商品・サービスのウェブサイトを閲覧した」 (26.8%)となりました。【図表4】
研究所Insight
生活者は、企業に魅力を感じると、購買行動に大きく影響することが見て取れます。
また、購買などの直接的な影響だけでなく、検索やシェアなどの情報検索・拡散行動にも影響していることも分かりました。
第10回 魅力度ブランド調査
~購入/投資/就職行動別の魅力~
3.購入/投資/就職行動に影響する魅力は 「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」が共通。投資・就職には「フロンティアスピリット」も
企業に魅力を感じた後の行動(「購入・利用をした/検討した」、「株式、投資信託などの購入をした/検討した」、「就職・転職を検討した/他人に勧めた」 )ごとに、魅力領域Top5を比較しました。これは、企業に魅力を感じた結果、その企業の商品・サービスを「購入・利用した/購入を検討した」と回答した3,037人のうち、60.3%が魅力領域の「イシュー対応」(イシュー対応に該当する魅力項目2つのうち、どちらか)を選択したことを表しています。
そこで、購入/投資/就職の各行動に“共通する魅力”と、それぞれの行動で“異なる魅力”が見られました。
“共通する魅力”としては、「イシュー対応」「安定・透明性」「技術」がTop5に入っています。また、購入と投資では商品的魅力の「安全・安心」が、投資と就職では人的魅力の「フロンティアスピリット」がそれぞれ共通して入りました。
また、“異なる魅力”としては、購入の「ニーズ開発」。就職の「ダイバーシティ」がランクインしました。【図表5】
研究所Insight
行動につながる共通の魅力領域として、「イシュー対応」と「安定・透明性」「技術」があるということが分かりました。また購入/投資/就職の各行動によって、生活者が感じる魅力が異なっているという事実は、目的とするアウトカム(魅力を感じた後にしてほしい意識変化/行動変容)によって、伝えるべき魅力コンテンツの最適化につながると考えられます。
第10回 魅力度ブランド調査
~購入・利用意向/投資意向/就職・転職意向の情報源~
4.購入には「リアル」、投資には「メディアの番組・記事」、
就職には「オウンドメディア」「ソーシャルメディア」が効果的
企業の魅力を感じた情報源と、魅力認知後の行動(購入/投資/就職)をクロスして見てみると、「魅力を感じた後に購入・利用をした/検討した」人と全体平均との差が大きい情報源は、「リアル」系統のものに多く見られました。
また、「株式、投資信託などの購入をした/検討した」人と全体平均との差が大きい情報源は、「メディアの番組・記事」に、「就職・転職を検討した/他者に勧めた」人と全体平均との差が大きい情報源は、「ソーシャルメディア」「オウンドメディア」に見られました。【図表6】
研究所Insight
購入行動は、「リアル」を通した直接的働きかけからアプローチすると、反応が高いことが分かりました。また、投資行動は、「メディアの番組・記事」の他には、「企業のウェブサイト(コーポレート情報ページ)」が全体との差(14.6pt)が大きく、効果的であることが分かりました。このように、目標とする行動ごとに効率的なアプローチが存在することがわかります。
第10回 魅力度ブランド調査
~業界別の魅力について~
5.「イシュー対応」重視や「技術」重視、「コスパ」「安定・透明性」重視など、魅力は業界ごとに特徴が見られる
魅力領域のTop3を業界別で比較した結果、業界ごとに異なる結果が見られました。「鉄鋼・重機」「国産自動車・二輪車」業界は、Top3全てが人的魅力で、「外食」「コンテンツビジネス&プラットフォーム・サービス」業界は、Top3全てが商品的魅力でした。Top3全てが社会的魅力という業界はありませんでした。人的魅力がトップの業界は、 20業界中9業界で最も多く、続いて商品的魅力が6業界、社会的魅力が5業界でした。
また、「国産自動車・二輪車」や「半導体・電子機器」など、人的魅力の「技術」がトップの業界は最も多い6業界でした。最も多くの業界に共通する「イシュー対応」は14業界で、それに次ぐ「安定・透明性」は13業界でTop3に入っています。この「安定・透明性」がトップの業界は、「金融・証券」「情報通信・コミュニケーション」「損保・生保・商社」業界でした。
このほか、 「エネルギー」や「鉄道」「金融・証券」業界などのインフラ系で「地域性」がTop3入りしていたり、「食品」「医薬品」業界には「安全・安心」、「流通・小売」「外食」には「コストパフォーマンス」が入るなど、業界によって特徴が見られました。 【図表7】
研究所Insight
生活者が魅力に感じるポイントは業界ごとに異なることから、企業は、自社(およびその業界)が求められている魅力、感じられやすい魅力を正確に把握し、適切な企業のファクト(活動)を開発・提供することが、効率化のポイントと考えられます。
<その他:基本データ>
第10回 魅力度ブランド調査
~全体結果(業界ランキング)~
魅力度スコア 業界ランキング 1位は「輸入EV自動車・自動車関連部品(タイヤ)」、2位「食品」、3位「飲料」
生活者が企業に感じた魅力項目の合計個数(魅力度スコア)を業界別で見ると、上位3位は、1位「輸入EV自動車・自動車関連部品(タイヤ)」(21,322ポイント)、2位「食品」(20,789ポイント)、3位「飲料」(20,712ポイント)となりました。 【図表8】
<その他:基本データ>
第10回 魅力度ブランド調査
~企業の魅力の情報源~
魅力の情報源では、「リアル」が1位。次いで「メディアの広告」、「メディアの番組・記事」と続く。内訳では「テレビCM」が1位
「企業の魅力をどのようなところで見聞きしたか」について聞いたところ、カテゴリ別では、商品・サービスの購入や社員・店員などリアルな経験を通じている「リアル」が最も多く(40.6%)、次いで「メディアの広告」(33.5%)が2位、「メディアの番組・記事」(31.4%)が3位となりました。
また、その内訳を見ると、「テレビCM」が最も高いスコア(24.7%)となっています。【図表9】
研究所Insight
「リアル」系統の情報源においては、生活者が購入可能な商品を扱うBtoC企業かどうかによって、結果に大きな差が生じます。一方で、「メディアの広告」や「メディアの番組・記事」に関しては、業界による大きな変動は見られません。つまり、(メディア接触の差異は世代で異なるものの)業界間で変動の少ない情報経路の中では、「テレビ(番組や広告)」が依然として重要な役割を果たしていると考えられます。
<その他:魅力の定義、モデルの改訂について>
魅力度ブランディングモデルVer.3
~モデルの改訂について~
モデルを「魅力度ブランディングモデルVer.3」として、定義や領域、項目を新たに構成し、調査を行いました
「魅力度ブランディングモデルVer.3」は、生活者などステークホルダーが、企業のどのような活動や事実(ファクト)に“魅力”を感じるのかを、「人的魅力」「社会的魅力」「商品的魅力」の3要素(24領域、48項目)で調査・検証したブランディングモデルです。【図表10】
改訂は2018年以来2度目になります。前回の改訂から7年、コロナ禍を経て世界情勢も大きく変動したことから、改めて、社会課題解決、グローバル対応、マルチステークホルダー対応など、企業を取り巻く社会・経済の環境変化を踏まえ、従来の魅力度の指標から改訂に着手しました。
また、生活者(顧客や個人投資家、就活生をはじめとしたステークホルダー)が魅力に感じる企業の活動(ファクト)には、年々変化を感じていました。そのため、「ダイバーシティ」「DX推進」「グローバル」「技術」など、さまざまなファクトの追加・変更が必要であると考え、魅力領域などを追加・再構成することとしました。モデルの改訂にあたっては「ステークホルダー思考」を意識しています。
<その他:調査概要>
第10回 魅力度ブランド調査
~調査概要~
調査対象:全国の20~69歳の男女 計10,000人 ※20業界(200社)のいずれかに魅力を感じている人(各業界500人)
調査方法:インターネット調査
期間:2025年6月20日~7月8日
設問内容:魅力を感じる業界、魅力を感じる企業、魅力を感じた要素、魅力を感じた情報源、企業イメージなど
調査対象:
調査対象企業一覧:
<お願い>本調査内容を転載・引用する場合、転載者・引用者の責任で行うとともに、当研究所の調査結果である旨を明示してください。 |
企業広報戦略研究所とは
(Corporate communication Strategic studies Institute : 略称C.S.I.)
企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略・体制などについて調査・分析・研究を行う、㈱電通PRコンサルティング内に2013年12月に設立された研究組織です。過去の調査は下記サイトにてご覧いただけます。
企業広報戦略研究所サイト http://www.dentsuprc.co.jp/csi/
・阪井 完二 企業広報戦略研究所 所長
・末次 祥行 企業広報戦略研究所 副所長
・増田 勲 上席研究員
・戸上 摩貴子 上席研究員
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このプレスリリースを配信した企業・団体

- 名称 株式会社電通PRコンサルティング
- 所在地 東京都
- 業種 広告・広報
- URL https://www.dentsuprc.co.jp/
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