ギリアドとKite、革新的な血液がん治療の進捗状況を示す 新たな細胞療法のデータをASH 2025で発表
2025年11月25日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアドとKite、革新的な血液がん治療の進捗状況を示す 新たな細胞療法のデータをASH 2025で発表
– 再発/難治性多発性骨髄腫に対するanito-celの 主たる第II相iMMagine-1試験の最新結果を口演発表 – – 再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の二次治療における イエスカルタの治癒の可能性を新たな知見が補強 – – 次世代CAR T細胞療法が、B細胞性悪性腫瘍に対して高い奏効率と有望な持続性を示す –
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)とギリアド・カンパニーのKite(本社:米カリフォルニア州サンタモニカ)は、第67回米国血液学会(ASH)年次総会(12月6日~9日)にて、5つの口演を含む21演題を発表する予定です。今回発表されるデータは、血液がん治療を革新し、CAR T細胞療法の対象範囲と効果を拡大するKiteの着実な歩みを示すものです。
Kiteエグゼクティブ・ バイス ・プレジデントのシンディ・ペレッティ(Cindy Perettie)は次のように述べています。「Kiteは細胞療法を治癒への道筋のひとつとして前進させることに尽力しており、ASHで発表するデータは、この目標に向けた意義のある進展を反映するものです。今回はパートナーであるArcellxとともに、主たる第II相iMMagine-1試験の最新結果を発表します。これらの知見は、anito-celにより再発/難治性の多発性骨髄腫に対して地域のがん治療へのアクセスを可能にし、患者さんと介護者の方々の負担軽減の可能性を秘める差別化された治療を届けるという当社の望みの基盤となるものです」
anito-celの最新データ
anitocabtagene autoleucel(anito-cel)に関する主な発表には、登録が完了した継続中の第II相iMMagine-1ピボタル試験の最新結果などが含まれます。現在までのところ、パーキンソニズム、脳神経麻痺、ギラン・バレー症候群、免疫性腸炎などの遅発性神経毒性は認められていません。
次世代パイプラインに関するデータ
Kiteは次世代バイシストロニック自家CAR T細胞療法に関するKITE-363試験およびKITE-753試験の新たなデータも発表します。これらの療法は、がん細胞表面にみられる2つの抗原(CD19およびCD20)を標的とし、2つの共刺激ドメイン(CD28および4-1BB)を用いて、免疫系が効果的にがんと戦えるよう支援するデザインとなっています。このような二重標的アプローチは、がんが治療を回避する機会を狭めるとともに、治療の安全性を高めて外来での治療を可能にします。
自家幹細胞移植(ASCT)の適格性に基づくイエスカルタ®の生存アウトカム
イエスカルタ®(アキシカブタゲン シロルユーセル)に関する主な発表には、自家幹細胞移植(ASCT)に適応のある再発/難治性(R/R)大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者さんを対象に、二次治療としてイエスカルタを評価したZUMA-7試験の4年間のフォローアップデータと、自家幹細胞移植(ASCT)に不適応な患者さんを評価したALYCANTE試験の2年間の追跡データとの統合解析があります。ZUMA-7試験とALYCANTE試験の患者集団の両方で有効性、安全性および健康関連の生活の質の改善パターンに一貫性が認められたことから、移植の適応を問わずイエスカルタの使用が支持され、治癒の可能性がある、この1回限りの治療の適応が実質的に広がることを意味します。
主な受領された抄録および発表日時は以下のとおりです。(いずれも米国東部標準時間)
| 口演 |
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| 抄録詳細 |
タイトル |
| アキシカブタゲン シロルユーセルの臨床データ |
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| 抄録番号 #671 2025年12月7日(日) 5:30 PM - 5:45 PM OCCC - Tangerine Ballroom F3-4 |
高リスク大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の二次治療における2倍量アキシカブタゲン シロルユーセル(Axi-cel-2):第Ib相試験の中間結果 |
| Brexucabtagene autoleucelの臨床データ |
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| 抄録番号 #569 2025年12月7日(日) 1:00 PM - 1:15 PM OCCC - Tangerine Ballroom F3-4 |
ZUMA-25試験の予備解析:再発/難治性(R/R)バーキットリンパ腫(BL)患者を対象とするBrexucabtagene autoleucel(brexu-cel)の 第II相試験サブスタディC |
| Anitocabtagene autoleucelの臨床データ |
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| 抄録番号 #256 2025年12月6日(土) 2:45 PM - 3:00 PM OCCC - West Halls D1 |
再発/難治性多発性骨髄腫患者の治療におけるAnitocabtagene autoleucelの第II相治験:iMMagine-1試験の最新結果 |
| Kiteの次世代CAR T臨床データ |
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| 抄録番号 #265 2025年12月6日(土) 2:00 PM - 2:15 PM OCCC - West Halls D2 |
再発/難治性B細胞リンパ腫患者を対象とする 第I相KITE-753またはKITE-363試験:KITE-753 試験の最初の安全性および予備的な有効性とKITE-363試験の最新結果 |
| トランスレーショナルメディシン |
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| 抄録番号 #805 2025年12月8日(月) 10:30 AM - 10:45 AM OCCC - W331 |
血液およびCSFメタボロミクスによるCAR T細胞関連神経毒性のドライバーとしてのトリプトファン異化およびポリアミン合成の特定 |
| ポスター発表 |
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| アキシカブタゲン シロルユーセル |
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| 抄録番号 #1799 2025年12月6日(土) 5:30 PM - 7:30 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
カナダにおけるアキシカブタゲン シロルユーセル登場後の再発/難治性(R/R)大細胞型B細胞リンパ腫のペイシェントジャーニー:製造実績および治療施設に対する患者の居住地の影響 |
| 抄録番号 #3714 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)二次治療でのAxi-celが自家幹細胞移植 適応にかかわらず同様の転帰を示す:ZUMA-7 試験およびALYCANTE試験の統合データ |
| 抄録番号 #1894 2025年12月6日(土) 5:30 PM - 7:30 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
ブラジルにおけるびまん性大細胞型B細胞リン パ腫:医療支援を改善するためのペイシェントジャーニーへの理解 |
| 抄録番号 #4510 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
米国における、適格な再発/難治性(R/R) びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL) 患者がCAR T細胞(CAR T)療法を受けない 場合の生存に及ぼす影響の推定 |
| 抄録番号 #6194 2025年12月8日(月) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
米国における、再発/難治性びまん性大細胞型 B細胞リンパ腫の三次治療以降の先進治療の 費用結果および時間毒性モデル:アキシカブタゲン シロルユーセルと二重特異性抗体の比較 |
| 抄録番号 #5356 2025年12月8日(月) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
アキシカブタゲン シロルユーセルの投与を受けた再発/難治性(R/R)濾胞性リンパ腫患者に おけるリアルワールドでの年齢、併存疾患、 フレイルの有無、投与前治療別の有効性および安全性の転帰 |
| 抄録番号 #3717 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
高リスク大細胞型B細胞リンパ腫のフロントラ イン治療でアキシカブタゲン シロルユーセルの投与を受けた患者の長期転帰の予後因子としての代替評価項目 |
| 抄録番号 #4503 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の二次治療 および三次治療におけるリアルワールドでの 治療パターンと生存アウトカム |
| Brexucabtagene autoleucel |
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| 抄録番号 #1588 2025年12月6日(土) 5:30 PM - 7:30 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
急性リンパ芽球性白血病(ALL)のBrexucabtagene autoleucel(brexu-cel)療法後に幹細胞移植を行わない場合の持続的寛解の 決定因子としての炎症反応の内因性制御 |
| 抄録番号 #1799 2025年12月6日(土) 5:30 PM - 7:30 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
ZUMA-2試験コホート3の2年後最新情報:ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤(BTKi)による 治療歴のない再発/難治性マントル細胞リンパ腫(R/R MCL)患者を対象としたBrexucabtagene autoleucel(brexu-cel)治療 |
| 抄録番号 #3606 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
Brexucabtagene autoleucel(brexu-cel)の投与を受けた再発/難治性(R/R)マントル細胞リンパ腫(MCL)患者におけるリアルワールドでの年齢、併存疾患、フレイルの有無別の有効性 および安全性の転帰 |
| 特定製品を超えた研究 |
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| 抄録番号 #5882 2025年12月8日(月) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
大細胞型B細胞リンパ腫におけるキャリブレーション定量的フローサイトメトリーを用いた 投与前のCD19抗原濃度およびマルチ抗原プロファイリングとCAR T細胞療法の有効性との相関 |
| 多発性骨髄腫の臨床上のアンメットニーズ |
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| 抄録番号 #6344 2025年12月8日(月) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
米国における、多発性骨髄腫の疾病負荷およびCAR T細胞療法へのアクセスの地理的ばらつき および体系的不均衡の可視化 |
| 抄録番号 #6284 2025年12月8日(月) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - West Halls B3-B4 |
米国における、新たな認定治療施設(ATCs)での入院および外来でのキメラ抗原受容体T細胞 療法(CAR T)の成績 |
| 抄録番号 #4411 2025年12月7日(日) 6:00 PM - 8:00 PM OCCC - ウエストホールWest Halls B3-B4 |
新たな認定治療施設で治療を受けた米国の患者さんにおけるCAR T細胞療法後のリアルワールドでの医療資源利用状況(HCRU) |
| 掲載のみ:Anitocabtagene autoleucelの非臨床データ |
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| 抄録番号 #7644 |
多発性骨髄腫の非臨床モデルにおいてanito-cel のD-Domain結合体の高い解離速度が特徴的な 薬理プロファイルに寄与 |
| 研究者主導研究/共同研究:Anitocabtagene autoleucelの非臨床データ* |
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| 口演 抄録番号 #203 2025年12月7日(日) 10:30 AM - 10:45 AM OCCC - Sunburst Room (W340)) |
多発性骨髄腫に対する抗BCMA CAR-T細胞療法 における有効性および毒性の機序を明らかに するシングルセルトランスクリプトミクス |
抄録のタイトルの全リストを含む詳細については、
https://ash.confex.com/ash/2025/webprogram/start.htmlにアクセスしてください。
* KiteのCAR T細胞療法に関する研究者主導・スポンサーの研究発表(Kiteの採択演題数には含まれていない)
イエスカルタについて(米国添付文書)
適応
イエスカルタ(R)は、CD19を標的とした遺伝子改変自家T細胞免疫療法で、次の治療が適応とされています。
・一次治療の免疫化学療法に対して難治性を示した、または一次治療の免疫化学療法後12カ月以内に再発した大細胞型B細胞リンパ腫成人患者
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫から形質転換したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む、2つ以上の全身療法後の再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫成人患者
使用上の制限事項:イエスカルタは、原発性中枢神経系リンパ腫患者さんの治療を適応としません。
・2つ以上の全身療法後の再発/難治性濾胞性リンパ腫(FL)成人患者。本適応症は、奏効率に基づき迅速承認されました。本適応症の承認を継続するには、検証的試験で臨床的ベネフィットを検証し、証明することが条件となります。
米国における重要な安全性情報
警告:サイトカイン放出症候群(CRS)、神経毒性および二次性血液悪性腫瘍
・致命的または生命を脅かす反応を含むサイトカイン放出症候群(CRS)が、イエスカルタ投与患者に発現しています。活動性感染症または炎症性疾患を有する患者にイエスカルタを投与しないでください。重度または生命を脅かすCRSは、トシリズマブまたはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用で治療を行ってください。
・致命的または生命を脅かす反応を含む神経毒性が、CRSを同時に発現した場合またはCRS回復後を含め、イエスカルタ投与患者に発現しています。イエスカルタ投与後、神経毒性についてモニタリングしてください。必要に応じて、支持療法および/またはコルチコステロイド投与を行ってください。
・イエスカルタを含む、BCMA-やCD19-を標的とする遺伝子改変T細胞を自家移植して行う免疫療法による血液悪性腫瘍の治療後に、T細胞悪性腫瘍の発現が報告されています。
サイトカイン放出症候群(CRS)
致命的または生命を脅かす反応を含むCRSがイエスカルタの投与後に発現しています。CRSはイエスカルタ投与後の非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の90%(379/422)に発現し、うちグレード3(Lee grading systemによる)以上は9%でした。また、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者の93%(256/276)に発現し、うちグレード3以上は9%でした。イエスカルタ投与後に死亡した大細胞型B細胞リンパ腫患者のうち4名が、死亡時にCRS事象を持続していました。ZUMA-1試験では、大細胞型B細胞リンパ腫患者のCRS発現までの時間の中央値は投与後2日(範囲:1~12日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~58日間)でした。ZUMA-7試験では、大細胞型B細胞リンパ腫患者のCRS発現までの時間の中央値は投与後3日(範囲:1~10日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~43日間)でした。
ZUMA-5試験では、インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者の84%(123/146)にCRSが発現し、うちグレード3以上は8%でした。イエスカルタ投与後に死亡したインドレント非ホジキンリンパ腫患者のうち1名が、死亡時にCRS事象を持続していました。インドレント非ホジキンリンパ腫患者について、CRS発現までの時間の中央値は4日(範囲:1~20日)、CRS継続期間の中央値は6日間(範囲:1~27日間)でした。
患者全体に主に見られたCRSの症状(10%以上)は、発熱(85%)、低血圧(40%)、頻脈(32%)、悪寒(22%)、低酸素症(20%)、頭痛(15%)、倦怠感(12%)でした。CRSに関連する可能性がある重篤な事象には、不整脈(心房細動、心室性頻拍を含む)、腎機能不全、心不全、呼吸不全、心停止、毛細血管漏出症候群、多臓器不全、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群(HLH/MAS)などがあります。
トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドによるCRSの発現や重症度に対する影響については、ZUMA-1試験において、大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした2つの後続コホートで評価しました。グレード1の継続事象に対して、トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドの投与を受けた患者の93%(38/41)がCRSを発現し、うちグレード3は2%(1/41)でした。グレード4または5の事象を発現した患者はいませんでした。CRS発現までの時間の中央値は2日(範囲:1~8日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~16日間)でした。39名の患者のコホートに対し、イエスカルタ投与日から3日間、コルチコステロイドによる予防的治療が行われました。うち31名(79%)の患者がCRSを発現しましたが、トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドの投与により症状がコントロールされ、グレード3以上のCRSを発現した患者は一人もいませんでした。CRS発現までの時間の中央値は5日(範囲:1~15日)、CRS継続期間の中央値は4日間(範囲:1~10日間)でした。機序の説明については不明ですが、各患者の既存の併存疾患、ならびにグレード4および神経毒性が長引くリスクの可能性を考慮した上で、コルチコステロイドによる予防的治療のリスクとベネフィットを検討してください。
イエスカルタ投与前にトシリズマブの投与が2回可能であるかを確認してください。少なくとも投与後7日間は1日1回認定医療機関で、CRSの徴候および症状について、患者をモニタリングしてください。投与後2週間は、CRSの徴候および症状について、患者をモニタリングしてください。CRSの徴候または症状が見られた場合、直ちに医師の診察を受けるよう、患者に助言してください。CRSの最初の徴候が見られた時点で、必要に応じて、支持療法、トシリズマブ、またはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用による治療を開始してください。
神経毒性
致命的または生命を脅かす反応を含むCRSがイエスカルタの投与後に発現しています。CRSはイエスカルタ投与後の非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の90%(379/422)に発現し、うちグレード3(Lee grading systemによる)以上は9%でした。また、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者の93%(256/276)に発現し、うちグレード3以上は9%でした。イエスカルタ投与後に死亡した大細胞型B細胞リンパ腫患者のうち4名が、死亡時にCRS事象を持続していました。ZUMA-1試験では、大細胞型B細胞リンパ腫患者のCRS発現までの時間の中央値は投与後2日(範囲:1~12日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~58日間)でした。ZUMA-7試験では、大細胞型B細胞リンパ腫患者のCRS発現までの時間の中央値は投与後3日(範囲:1~10日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~43日間)でした。
ZUMA-5試験では、インドレント非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者の84%(123/146)にCRSが発現し、うちグレード3以上は8%でした。イエスカルタ投与後に死亡したインドレント非ホジキンリンパ腫患者のうち1名が、死亡時にCRS事象を持続していました。インドレント非ホジキンリンパ腫患者について、CRS発現までの時間の中央値は4日(範囲:1~20日)、CRS継続期間の中央値は6日間(範囲:1~27日間)でした。
患者全体に主に見られたCRSの症状(10%以上)は、発熱(85%)、低血圧(40%)、頻脈(32%)、悪寒(22%)、低酸素症(20%)、頭痛(15%)、倦怠感(12%)でした。CRSに関連する可能性がある重篤な事象には、不整脈(心房細動、心室性頻拍を含む)、腎機能不全、心不全、呼吸不全、心停止、毛細血管漏出症候群、多臓器不全、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群(HLH/MAS)などがあります。
トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドによるCRSの発現や重症度に対する影響については、ZUMA-1試験において、大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした2つの後続コホートで評価しました。グレード1の継続事象に対して、トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドの投与を受けた患者の93%(38/41)がCRSを発現し、うちグレード3は2%(1/41)でした。グレード4または5の事象を発現した患者はいませんでした。CRS発現までの時間の中央値は2日(範囲:1~8日)、CRS継続期間の中央値は7日間(範囲:2~16日間)でした。39名の患者のコホートに対し、イエスカルタ投与日から3日間、コルチコステロイドによる予防的治療が行われました。うち31名(79%)の患者がCRSを発現しましたが、トシリズマブおよび/またはコルチコステロイドの投与により症状がコントロールされ、グレード3以上のCRSを発現した患者は一人もいませんでした。CRS発現までの時間の中央値は5日(範囲:1~15日)、CRS継続期間の中央値は4日間(範囲:1~10日間)でした。機序の説明については不明ですが、各患者の既存の併存疾患、ならびにグレード4および神経毒性が長引くリスクの可能性を考慮した上で、コルチコステロイドによる予防的治療のリスクとベネフィットを検討してください。
イエスカルタ投与前にトシリズマブの投与が2回可能であるかを確認してください。少なくとも投与後7日間は1日1回認定医療機関で、CRSの徴候および症状について、患者をモニタリングしてください。投与後2週間は、CRSの徴候および症状について、患者をモニタリングしてください。CRSの徴候または症状が見られた場合、直ちに医師の診察を受けるよう、患者に助言してください。CRSの最初の徴候が見られた時点で、必要に応じて、支持療法、トシリズマブ、またはトシリズマブ・コルチコステロイドの併用による治療を開始してください。
過敏症反応
アレルギー反応がイエスカルタ投与により発現することがあります。アナフィラキシーを含む重度の過敏症反応は、イエスカルタ中のジメチルスルホキシド(DMSO)または残留ゲンタマイシンに起因する可能性があります。
重症感染症
重度または生命を脅かす感染症がイエスカルタ投与後に発現しています。感染症(全グレード)が非ホジキンリンパ腫患者の45%に発現しています。グレード3以上の感染症が患者の17%に発現し、内訳はグレード3以上の不特定の病原菌による感染症(12%)、細菌感染症(5%)、ウイルス感染症(3%)、真菌感染症(1%)でした。イエスカルタは、臨床的に重篤な活動性全身性感染症患者には投与しないでください。投与前後に感染症の徴候や症状について、患者をモニタリングし、適切に治療を行ってください。各国のガイドラインに従って、予防的抗菌薬を投与してください。
発熱性好中球減少症が全非ホジキンリンパ腫患者の36%に認められ、CRSを同時に発現する場合があります。発熱性好中球減少症の場合、感染症について評価し、医学的に必要な場合、広域抗生物質、輸液およびその他支持療法によりコントロールしてください。
イエスカルタの投与を受けた患者を含む免疫抑制患者において、播種性真菌感染症(例:カンジダ性敗血症、アスペルギルス感染症)、ウイルスの再活性化[例:ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)脳炎、JCウイルス進行性多巣性白質脳症(PML)]をはじめとする、生命を脅かすまたは致命的な日和見感染症が報告されています。神経系の事象を有する免疫抑制患者においてはヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)脳炎および進行性多巣性白質脳症(PML)の可能性を検討し、適切な診断評価を実施してください。
劇症肝炎、肝不全および死に至る可能性もあるB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化が、イエスカルタを含むB細胞を標的とした薬剤で治療を受けた患者に発現する可能性があります。製造に向けた細胞採取前に、臨床ガイドラインに従って、HBV、HCVおよびHIVについてスクリーニングを実施してください。
遷延性血球減少症
患者がリンパ球除去化学療法およびイエスカルタ投与後数週間にわたり、血球減少症を発現することがあります。イエスカルタ投与後30日目までに消散しなかったグレード3以上の血球減少症が全非ホジキンリンパ腫患者の39%に発現し、内訳は好中球減少症(33%)、血小板減少症(13%)、貧血(8%)でした。投与後は血球数をモニタリングしてください。
低ガンマグロブリン血症
B細胞形成不全および低ガンマグロブリン血症がイエスカルタ投与後に発現することがあります。全非ホジキンリンパ腫患者の14%において、低ガンマグロブリン血症が副作用として報告されています。治療後の免疫グロブリン値をモニタリングし、感染予防薬、予防的抗菌薬、免疫グロブリン補充療法を使用しコントロールしてください。
イエスカルタ投与中または投与後の生ウイルスワクチン接種の安全性は、まだ検証されていません。生ウイルスワクチン接種は、リンパ球除去化学療法開始の少なくとも6週間前、イエスカルタによる治療中および治療後に免疫が回復するまでは推奨しません。
二次性悪性腫瘍
イエスカルタの投与を受けた患者は、二次性悪性腫瘍を発現する可能性があります。イエスカルタを含む、BCMA-やCD19-を標的とする遺伝子改変T細胞を自家移植して行う免疫療法による血液悪性腫瘍の治療後に、T細胞悪性腫瘍の発現が報告されています。CAR陽性の腫瘍を含む成熟T細胞悪性腫瘍が、投与後数週間で発現する可能性があり、死に至る場合もあります。
生涯にわたり、二次性悪性腫瘍についてモニタリングしてください。発現した場合、Kite[1-844-454-KITE(5483)]に連絡し、検査用に採取する患者サンプルについて、指示を受けてください。
副作用
最も多く見られた副作用(発現率20%以上):
・ZUMA-7試験において、大細胞型B細胞リンパ腫患者に最も多く見られた副作用は、発熱、CRS、倦怠感、低血圧、脳症、頻脈、下痢、頭痛、筋骨格痛、吐き気、発熱性好中球減少症、悪寒、咳、不特定の病原菌による感染症、めまい、振戦、食欲減退、浮腫、低酸素症、腹痛、失語症、便秘、嘔吐でした。
・ZUMA-1試験において、大細胞型B細胞リンパ腫患者に最も多く見られた副作用は、CRS、発熱、低血圧、脳症、頻脈、倦怠感、頭痛、食欲減退、悪寒、下痢、発熱性好中球減少症、不特定の病原菌による感染症、吐き気、低酸素症、振戦、咳、嘔吐、めまい、便秘、不整脈でした。
・ZUMA-5試験において、インドレント非ホジキンリンパ腫患者に最も多く見られた副作用は、発熱、CRS、低血圧、脳症、倦怠感、頭痛、不特定の病原菌による感染症、頻脈、発熱性好中球減少症、筋骨格痛、吐き気、振戦、悪寒、下痢、便秘、食欲減退、咳、嘔吐、低酸素症、不整脈、めまいでした。
枠組み警告を含む完全な処方情報を参照してください。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 ギリアド・サイエンシズ株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 医薬品
- URL https://www.gilead.co.jp/
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