【2026ミラノ・コルティナ五輪に関する全国アンケート調査結果】感動シーン1位「りくりゅうペア金メダル」
~大会成功評価 85.6%、日本代表の成績に満足 84.8%~
産業能率大学スポーツマネジメント研究所(所長:中川直樹 情報マネジメント学部教授)は、2026ミラノ・コルティナ五輪の閉幕直後に、最も感動したシーンをはじめ、日本代表選手や観戦競技に関するアンケートを実施しました。調査は開幕前に行った1万人アンケートの追跡調査として、全国の1,000人に対してインターネットを通して実施しました。
1.最も感動したシーン

2.日本代表選手に関する調査

※1観戦率: ニュースやダイジェストを含め競技を視聴した率
3.競技に関する調査【参考】 冬季五輪直近3大会の競技満足度※2比較(本研究所調査)


※2競技満足度: 全回答者(N=1,000)に占める「視聴して良かった競技」の回答率
4.意識調査

1. 最も感動したシーン
最も感動したシーンについて、8位入賞以上の48件(金5、銀7、銅12、4位6、5位1、6位8、7位4、8位5)を対象に選んでもらいました。1位は圧倒的な票数で「りくりゅうペア」。2位の平野歩夢選手をはじめ、金メダル以外のシーンも複数選ばれました。投票の決め手として、ペアや団体種目の結束力、選手の人間性を挙げる回答者もいました。

2. 日本代表選手に関する調査
全121選手を分析対象として実施しました。指標名と調査内容・集計方法の対応は下表の通りです。「競技を視聴」にはニュースやダイジェストでの視聴も含みます。

2-1.観戦率25%以上
1位は前回2022北京大会の銅メダリストで、前大会に引き続き団体戦にも出場した坂本花織選手でした。4位の髙木美帆選手、5位の平野歩夢選手、7位の髙梨沙羅選手、8位の鍵山優真選手、11位の小林陵侑選手も、「注目率」(大会前調査N=10,000)が20%を超えていた注目度の高い選手でした。
一方で、2位・3位の「りくりゅうペア」こと木原龍一選手と三浦璃来選手、同率5位の中井亜美選手、9位の村瀬心椛選手、10位の二階堂蓮選手の大会前注目率は10%未満であり、本大会での活躍により、ニュースやダイジェストを含む放送視聴が高まったと考えられます。

2-2.観戦者内満足率70%以上
観戦した人の中で何人が満足したかを「観戦者内満足率」として算出しました。なお、観戦人数の下限は10人です。
りくりゅうペアが圧巻の90%超、スノーボード・女子ビッグエア金メダリストの村瀬心椛選手が81.3%で続きました。13位の古野慧選手はメダルに一歩届かず放送が少なかったものの、観戦した人はそのパフォーマンスに満足を示したといえます。

2-3.知名度アップ15pt以上
「大会前知名度」(N=10,000)から「大会後知名度」(N=1,000)が何ポイントアップしたのかを算出しました。
30ポイント以上アップしたフィギュアスケートの3選手をはじめ、15ポイント以上アップした選手はほぼ全員が「メダリスト」でした。期待を上回る活躍によってメダルを獲得し、メディアでも大きく取り上げられた選手の知名度が急上昇しました。
知名度アップ6位の千葉百音選手は惜しくもメダルには届きませんでしたが、次ページ以降の【競技に関する調査】で触れるように、今大会はフィギュアスケートの観戦率と満足度が高く、その影響もあって代表選手全員の認知が進みました。

3. 競技に関する調査
2026ミラノ・コルティナ五輪で実施された全16競技を対象に調査を行いました。【日本代表選手に関する調査】同様に算出した、「観戦率」と「観戦者内満足率」の結果を提示したあと、「最も生観戦したい競技」については自由記述の抜粋を交えて報告します。本研究所では冬季五輪に際し、2010年のバンクーバー大会から継続的にN=1,000の調査を実施しています。そのため、定点観測である「競技満足度」については、時系列で比較します。
3-1.観戦率
ボブスレー※3を除く15競技で「大会前注目率」を「観戦率」が上回りました。このことから、大会前には関心を示さなかった層が開幕後の盛り上がりに応じて競技観戦を行ったことが窺えます。本大会で日本代表が獲得したメダルの総数は合計24個※4ですが、「観戦率」上位4位の競技で22個を占めます。「大会前注目率」と比較して、相対的に順位が上がった競技は、スノーボード、フリースタイルスキー、アイスホッケー、スケルトンなどでした。
※3ボブスレー:大会直前に連盟のミスにより日本代表が出場できないことが報じられ、注目度が高まっていたことが理由と考えられます。
※24個のメダル:多い順に、スノーボード9個(金4、銀2、銅3)、フィギュアスケート6個(金1、銀3、銅2)、スキージャンプ4個(銀1、銅3)、スピードスケート3個(銅3)、フリースタイルスキー2個(銀1、銅1)です。

3-2.観戦者内満足率
観戦率同様に、1位はフィギュアスケート、2位はスノーボードでした。3位には銀と銅、2個のメダルを獲得したフリースタイルスキーが入りました。4位のボブスレーは今大会、日本代表選手の出場はなかった競技です。観戦率も3%(N=30)ながら、観戦した人の中での満足率は高い競技でした。クロスカントリースキーには4人の日本代表選手が出場しましたが、同様に10%未満の観戦率ながら、比較的高い観戦者内満足率を示した競技でした。逆に観戦率が10%以上(回答人数100人以上)ありながら低位に甘んじた競技は、カーリングやアルペンスキーでした。

3-3.最も生観戦したい競技
大会後調査では、「もし世界レベルのウィンタースポーツを現地で生観戦できる機会があるとしたら、最も観戦したい競技を、ミラノ・コルティナ五輪で実施された競技を対象にお選びください。」という設問を設けました。
上位3件は大会前調査の「注目率」、大会後調査の「観戦率」の結果に照らして順当ですが、4位にはアイスホッケーが入りました。アルペンスキーも「観戦率」や「観戦者満足率」との相対比較では上位の7位にランクインしました。
生観戦したい理由としては、「スピード」や「迫力」というワードがよく書かれていました。また、「見やすさ」「わかりやすさ」「試合時間の短さ」もポイントとして挙がり、特に女性からは防寒の観点から「室内」という回答も多く見られました。

3-4.競技満足度の時系列比較
本研究所が調査を実施した、全5大会の「競技満足度」を比較しました。いずれもN=1,000であり、オリンピック競技に関心が薄い「視聴した競技なし」といった層も分母に含んでの、各競技での「視聴して良かった」の比率になります。
調査を開始してから3大会連続で1位はフィギュアスケートでした。浅田真央選手と羽生結弦選手が活躍していた時代です。2022北京大会においても4個のメダル(銀2、銅2)を獲得しましたが、絶対的王者ショーン・ホワイト選手との一騎打ちを制した平野歩夢選手を擁するスノーボードの躍進と、2018平昌大会で銅メダル、2022北京大会で銀メダルと成長を遂げ、チーム内コミュニケーションが視聴者の強い共感を生んだカーリングに押されて3位となりました。しかし今大会、りくりゅうペアの金字塔を筆頭に、団体・個人でも好成績、さらにはチームワークの良さも好感を呼び、再び首位に返り咲きました。スノーボードは2位をキープし、スキージャンプは2014ソチ大会以来の高順位3位となりました。

4. 意識調査
大会後調査においても本大会に関連する10の意識調査を実施しました。その結果をもとに2026ミラノ・コルティナ五輪の成否を総括し、事前・事後比較ができる質問については比較を行います。そして最後に、現在大きな転換点を迎えている「国民的スポーツ観戦」の可能性と課題について、本研究所のデータをもとに考察します。
4-1.本大会の評価
夏季と冬季の違いがあるため単純な比較はできませんが、本研究所が2024パリ五輪後に実施したアンケートでは、大会成功の肯定率が55.3%に留まったのに対し、今回は回答者(N=1,000)の85.6%が「成功」と回答しました。その背景には日本代表の活躍と過去最高の競技成績があることも大きく関係していると考えられます。
実際には、現地で環境的・経済的コストに対する抗議デモが起き、選手においてもメダルの破損や交通アクセスへの不満が噴出し、日本代表関係ではスキージャンプの男子スーパーチーム(二階堂蓮/小林陵侑)の悪天候による打ち切りに対する疑義も呈されました。しかし、メダル獲得等の明るいニュースにかき消され、否定的なニュースはほとんど注目を集めませんでした。後述しますが、実のところ「視聴した競技はない」の回答率は33.0%にのぼっています。したがって観戦していない回答者もイメージ先行やメダル数といった情報のみから「成功」「満足」と回答していると考えられます。
大会成功85.6%、日本代表の成績に満足84.8%という数値はもちろん素晴らしいことではありますが、光の側面に心を奪われ、影の部分に目が向かなくなる課題も内包しているといえます。

4-2.大会前後の変化
大会前・大会後の比較を意図した7つの質問の結果が下表になります。6つの質問でプラスの変化が生じました。
今大会は従来の「1都市1開催」からの転機となる大会で、オリンピック史上初めて2つの都市名が正式に冠された共催大会となりました。「コルティナ」の認知率は確かに向上はしたものの、10ポイント未満でした。ネットニュースをはじめSNSのハッシュタグ等でも「コルティナ」は省略され、「ミラノ五輪」と簡略化されたことが原因と考えられ、課題を残しました。
本大会は「山岳スキー」(スキーマウンテニアリング)が新競技として採用された大会でもあります。ですがこちらも大会後の認知率が25%未満と奮いませんでした。2024パリ五輪では単発ながら「ブレイクダンス」(ブレイキン)が採用され国内でも脚光を浴びましたが、山岳スキーは日本代表の出場選手がおらず注目を集めることができませんでした。
ウィンタースポーツの実施意向もプラスの効果が現れましたが、地域的な制約もあり、+4.3ポイントに留まりました。「みる」(観戦)と「する」(実施)との間に断絶がある点がウィンタースポーツの特徴であり課題でもあるといえます。
メディア関連では、NHK・民放・ニュースサイトやSNSともに大会前の高い肯定率をさらに上乗せしたことが裏付けられ、大会の盛り上がりによってライト層や無関心層が掘り起こされたことが明らかとなりました。

唯一減少したのがTVerの利用意向です。この結果はスポーツが「リアルタイム視聴」向きのコンテンツであることを改めて示しました。本研究所では現在、2026 WORLD BASEBALL CLASSIC(以下WBC2026)に関して、「Netflixによる独占配信」をテーマに掲げて調査を実施しています。リアルタイム視聴のニーズが高いことを踏まえれば、ライブ配信の独占が大きなビジネスチャンスであることは間違いありません。他方で、これまで地上波テレビ放送が担ってきた「国民的スポーツ行事」の存在が失われるリスクも否定できません。
4-3.可能性と課題
最終節となる本節では、「フィーバー」と「無関心層の増加」という対照的な両極に着目し、本レポートで提起された可能性と課題について述べます。
本研究所がこれまで実施してきた五輪大会後調査結果との大きな違いは、選手評価がMVP的な結果にはならず、フィギュアスケートの「りくりゅうペア」こと、三浦璃来選手と木原龍一選手の2人に対して向けられた点が挙げられます。ただし、「最も感動したシーン」「満足率」「知名度アップ」のすべてにおいて両名が突出しており、従来以上に一極集中の傾向が顕著にもなりました。そしてそのフィーバーはフィギュアスケート競技全体に波及し、前回2022北京大会における満足度では拮抗していたカーリングやスノーボードを再び引き離すインパクトを持ちました。
無関心層の増加に関しては、時系列と世代別の「視聴した競技なし」のデータが端的に物語ります。2018平昌大会は隣国の韓国での開催、かつ2年後に2020東京五輪を控えた時期(コロナ禍も未発生)でもあったことから一時的には低下しますが、基本的には上昇トレンドにあることが明白です。2010バンクーバー大会では「視聴した競技なし」の回答率は1割未満でしたが、2026ミラノ・コルティナ大会では3割以上となりました。また本大会の「視聴した競技なし」の比率を世代間で比較すると、60代では16.2%に留まりますが、最大の30代では5割に迫る率を計測し、五輪が全世代共通の「国民的スポーツ行事」とは呼べない状況が近づいていることを予感させます。

その意味では前節で触れた、WBC2026の「Netflixによる独占配信」はエポックメイキングな出来事といえるでしょう。近い将来、WBCのみならず、サッカーW杯や五輪に関してもライブ中継を地上波では視聴できない時代がやって来るかもしれません。ただしそれは20代・30代において視聴しない率が4割を超えている現状を踏まえれば必然的ともいえます。
早ければ次回の冬季五輪2030フランスアルプス大会において、夏季競技の一部が冬季に移行することがIOC(国際オリンピック委員会)において検討されています。地球温暖化や汚染といった環境問題、高騰化と収益化、ドローン撮影や生成AIのさらなる発展、テレビ離れと世代間ギャップ、スポーツ実施率と健康への影響など、五輪はスポーツのみならず無数の社会課題とリンクしています。本研究所では広い視野に立ち、今後も様々な角度から、調査と分析を行っていきます。
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2026年2月24日~25日の2日間
調査対象:日本在住の20歳~69歳の男女1,000人(総務省統計局2025年4月14日公開の
「2024年10月1日現在人口推計」の地域・性別・年代構成比に準拠)
調査監修:小野田哲弥(産業能率大学スポーツマネジメント研究所研究員/情報マネジメント学部教授)
調査協力:伊澤祐介・上山眞瑛・橋爪駿弥・山﨑奏音(小野田ゼミ)

【産業能率大学】
■ホームページ:https://www.sanno.ac.jp/
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 学校法人産業能率大学
- 所在地 東京都
- 業種 大学
- URL https://www.sanno.ac.jp/
過去に配信したプレスリリース
『職場のキーパーソンについてのインタビュー調査』の結果を発表
1/30 11:00




