「未来を選択する会議」、人口減少対策に関する政策提言を公表

官民、国・地方を挙げた推進体制を提言

日本生産性本部

「未来を選択する会議」、人口減少対策に関する政策提言を公表
官民、国・地方を挙げた推進体制を提言

 

民間主導で人口減少問題に取り組む「未来を選択する会議」(事務局:日本生産性本部、英語名:Forum for the Future We Choose)の政策提言グループは、11月6日(金)、政府が2026年末を目途に一貫した総合的な戦略(「人口総合戦略(仮称)」)の策定に向けて検討を進めていることに対応し、最新の状況を踏まえた「未来選択・政策提言」を取りまとめました。

未来を選択する会議では、人口減少社会における「生き方」「くらし方」「働き方」を考え、その実現のために必要な社会構造の見直しや一人ひとりの意識改革に向けて、引き続き、シンポジウムやセミナーの開催、関係者との対話・交流、情報発信、調査研究、政策提言等の取り組みを通じて、社会の気運醸成に取り組みます。

 

「未来選択・政策提言」の主な内容は以下の通りです。

 

 

「未来選択・政策提言 -官民、国・地方を挙げた推進体制を-」の概要について

 

Ⅰ.基本的な考え方 ― 3つの方針

 

1.「政策リンケージ」の推進:主な舞台は地域

〇 人口問題で隘路に陥っている事態を打開するには、各分野にわたる政策を連携させ、共通目標の実現を目指す「政策リンケージ」の構築と実行が成否を握る。

〇 政策リンケージを構築し、実行していく主な舞台は、あらゆる状況や課題が集約している「地域」。意欲のある地域に対して、国が地域の調査分析に協力し、少子化対策や人材政策、地域生活圏などの政策リンケージの構築を推進していくプロジェクトを立ち上げることを期待。

 

2.官民推進体制の確立:ブレずに取り組む

〇 人口問題は、中長期的な視点に立って取り組んでいく必要がある。政府は、人口戦略本部が人口総合戦略の“司令塔”としての役割を果たすよう、組織の抜本的な強化を行うことが求められる。

〇 司令塔の機能を支える観点から、人口問題を大所高所から議論し、勧告を行う恒久的な審議組織を設置するとともに、人口問題を調査分析する調査研究体制の強化が必要。

〇 「国家百年の大計」とも言うべき人口問題について、立法府が多角的、継続的に審議する常設の調査会を設置し、超党派で審議を行うことを強く期待。

〇 中長期にわたってブレずに推進していくため、戦略の基本方針や推進体制などの特別立法の制定を。

 

3.国民への分かりやすい発信:選択肢と国民運動の展開

〇国民に対して、少子化に歯止めがかかってない現状を伝えるとともに、将来に向けたシナリオの「選択肢」を提示し、“未来は選択できる”というメッセージを発信することが求められる。

〇すべての人々が「自分ごと」として捉えてもらうことが目標。政府は、若年世代や子どもたちが未来の社会について考える場づくりの動きを応援し、連携していくことを求めたい。

〇国民が幅広く参加し、社会全体の構造や意識の改革を進める国民運動へと発展することを期待。

 

 

Ⅱ.検討課題の提案 ― 5つの提案

 

1.少子化対策は、“新たなステージ”へ

〇少子化対策は、2029年度以降「新たなステージ」への移行を検討すべき時期。子育て支援の拡充だけでなく、「共働き・共育て」の観点から女性就労の「L字カーブ問題」解消を大きな目標とすべき。

〇「若年世代政策」に本格的に取り組むべき。若年世代や子育て世帯(特に女性)の可処分時間が少なく、「生活時間」の拡大のために、働き方改革や職住近接やテレワークを推進すべき。将来の人生設計を考えていくためのライフデザイン支援や医学的情報を提供するプレコンセプションケアの推進、ライフサイクルの多様化を目指すべき。

 

2.「人材希少社会」への対応

〇 我が国は「人材希少社会」に突入しており、女性や高齢者の就労促進により労働参加率の向上を図ると同時に、AIやロボット、DX等を積極的に活用し、省力化や業務改善を進めていくことが不可欠。

〇 基本となるのは、“人への投資”であり、各政策が連携した「政策リンケージ」の構築と実行が重要。中でも、厳しい環境にある若者・女性が、子育てなどと両立しながら、エッセンシャルワークなど成長分野で活躍していける環境を創出する「人材政策リンケージ」に大きな期待。

〇 教育分野では、AIなどの利活用やエッセシャルワークを支える人材を育成する観点から、高校教育や専門学校、大学教育の改革に取り組むべき。

 

3.「全世代型社会保障」の構築:「給付付き税額控除」への期待

〇 人口減少社会は「超高齢社会」であり、能力に応じて全世代が支え合う「全世代型社会保障」の構築が避けて通れない。「給付付き税額控除(就業者負担軽減支援金)」は、負担感が重い低中所得の若年勤労者を重点的に支援する制度として大きな意義があり、できる限り早期に導入することを期待。

 

4.「地域産業クラスター」や「地域生活圏」の導入

〇 人口減少の影響が最も早くかつ深刻なのは、地方。地域の継続的発展の可能性を拓き、我が国の経済・雇用の力を高めるため、「地域生活圏」構想や「産業クラスター」の社会実装を進めることが重要。

〇 地域生活圏を担う民間主体の参入促進のため、生活サービス等の規制緩和を行う「人口減少地域特区」を導入すべき。

〇 東京一極集中の是正を抜本的に進めるとともに、東京圏では、住宅価格が高騰し、若年世代ファミリー向けの住宅の確保が困難となっている状況を踏まえ、空き家の積極的な活用に取り組むべき。

 

5.地域の“自治機能”を担う組織・体制の「選択肢」の拡大

〇 地方自治体では人材不足や地域サービスの需要密度の低下が進んでおり、将来においても地域の自治機能を持続的に維持していくためには、それを担う組織・体制の「選択肢」をできる限り広げていくことが必要。国・都道府県・市町村の「役割分担」の見直しを行った上で、一つの自治体が単独・完結的に担うだけでなく、自治体間で連携していく「共同化」、民間主体なども担う「民間活用」も推進すべき。

 

 

「未来選択・政策提言」詳細:

https://iroiromirai.jp/policyproposals/20261106-001/

 

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