炭酸が毛髪改質成分の毛髪への浸透を高めることを確認

花王

2020年6月30日

花王株式会社

 炭酸が毛髪改質成分の毛髪への浸透を高めることを確認 

 

 花王株式会社(社長・澤田道隆)ヘアケア研究所は、炭酸により、毛髪改質成分の毛髪内部への浸透が高まることを確認しました。これにより、炭酸を併用すると、毛髪のダメージ、ハリ・コシやうねりなど、さまざまな状態に対する改質剤の効果が高まる可能性が示唆されました。

 

 

 

背景

 毛髪のダメージやうねり、ぱさつきなどといった現象は、化学処理やエイジングなどさまざまな影響によって生じます。この解決方法のひとつとして、毛髪内部に改質成分を届けるというアプローチが有効です。これまでに花王は、有機酸に着目し、毛髪内部の空洞補修をはじめとする、美髪化技術を確立し商品に応用してきました。

 その技術の進化として、今回、炭酸に着目しました。炭酸は炭酸泉や炭酸水などに含まれますが、古くから血管拡張を介した血行促進作用を有することが知られており、近年ではサロンなどにおいても、炭酸を用いたメニューが取り入れられています。また、花王では、炭酸が肌の角層タンパク質に作用することで、肌をなめらかにする可能性を明らかにしてきました。毛髪も角層と同様タンパク質が主成分であることから、炭酸が毛髪に及ぼす影響について検証しました。

 

炭酸がケラチンに与える変化 ~羊毛由来ケラチンパウダーの保水促進

 毛髪を炭酸水に浸漬させると、毛髪は内部に水を抱え込みやすくなります。花王は、この作用について、毛髪の主成分がケラチンというタンパク質であることに着目し、ケラチンに炭酸がどのような影響を与えるのかを検討しました。

 炭酸水に羊毛由来ケラチンパウダーを浸漬すると、水に浸漬したときと比較して外観が変化し、ケラチンパウダーが大きくなる様子が観察できます(図1)。

 また、示差走査熱量測定による熱容量解析結果から、炭酸水に浸漬したケラチンパウダーは、水と比べて水融解エネルギーが大きい(図2)ことが確認され、炭酸水中ではケラチンパウダーに含まれる水量が多くなっていることがわかりました。

 

 これらの結果から、炭酸水に浸漬した毛髪が水を抱え込みやすくなるのは、炭酸が毛髪内部のケラチンに作用している可能性があると考えました。

 

炭酸が毛髪改質成分の毛髪内部への浸透を促進

 炭酸が毛髪由来のケラチンや毛髪に対して水を抱え込みやすくさせるという可能性に着目し、炭酸を水に溶ける成分と同時に用いた場合、毛髪に及ぼす影響に違いがあるかどうかを確認しました。

 パラトルエンスルホン酸塩(pTS塩)は、継続して使用し毛髪内部に蓄積すると、応力緩和効果※1を有します。また有機酸のひとつであるコハク酸は、毛髪の表面に浸透し、pTS塩の効果を補助する効果があります。

 そこで、pTS塩とコハク酸を配合した、炭酸ありの製剤と炭酸なしの製剤に毛髪を15分浸漬し、毛髪の応力緩和に与える効果を比較しました。その結果、炭酸ありの製剤では、炭酸なしの製剤では差が見られない条件で、応力緩和率が有意に高くなることを確認(図3)。炭酸を組み合わせることで、pTS塩とコハク酸の応力緩和効果が高まる可能性が示唆されました。

※1 もとの形に戻ろうとする力を弱くすること。応力緩和効果が高いと、ブローやブラシなどで髪をひっぱって伸ばしたときに、髪のもとに戻ろうとする力が弱くなって、毛流れが揃いやすくなる

 

 さらに、pTS塩とコハク酸を含む炭酸ありの製剤と炭酸なしの製剤をそれぞれ毛髪に処理した後、毛髪の断面をToF-SIMS※2で観察し、毛髪内部におけるpTS塩の浸透分布を可視化しました。その結果、炭酸ありの場合に炭酸なしと比べて、毛髪内部におけるpTS塩に由来する信号(シグナル)の強度が増加しており、炭酸によるpTS塩の浸透促進が示唆されました(図4)。

※2 飛行時間型二次イオン質量分析法。表面に存在する無機・有機物を分子レベルで高感度に検出できる解析手法

 

まとめ

 今回の検討で、毛髪改質効果をもつ成分に炭酸を組み合わせることにより、毛髪に対する効果を高められる可能性が示唆されました。これは、炭酸により、改質成分の毛髪内部への浸透が促進された結果であると推察されます。pTS塩の浸透を高めることで応力緩和率が増加することから、毛髪うねりを改善できる可能性があります。

 炭酸をヘアケアに応用することは、化学処理や加齢により変化した毛髪を健常、もしくは美髪に導く有効な手段のひとつであると考えます。今後も、毛髪への効果ならびに作用メカニズムについて、検討を進めていきます。

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