「第18回 企業フィランソロピー大賞」贈呈先決定

~ CSRのベストプラクティスとしての社会貢献活動を顕彰 ~

2020年12月23日

公益社団法人日本フィランソロピー協会

 

~ CSRのベストプラクティスとしての社会貢献活動を顕彰 ~ 「第18回 企業フィランソロピー大賞」贈呈先決定

公益社団法人日本フィランソロピー協会 (東京都千代田区/会長:浅野史郎、理事長:髙橋陽子) は、

「第18回企業フィランソロピー大賞」の贈呈先 (受賞企業) を下記のとおり決定しました。
本賞は、社会の課題解決のために自社の経営資源 (人材 ・ ノウハウ ・ 技術 ・ 情報など)を有機的 ・持続的に活用した社会貢献活動を顕彰するものです。SDGs達成が不可欠な課題となっている今日、そうした企業を広く社会に発信することにより、公正で温もりと活力ある社会を次世代に伝えることを目的として2003年に創設しました。

 

★企業フィランソロピー大賞

エーザイ株式会社  (東京都文京区)

城南信用金庫   (東京都品川区)

★企業フィランソロピー賞

【安心を届ける手のひら賞】  株式会社大垣共立銀行   (岐阜県大垣市)

【資源の循環賞】      KDDI株式会社     (東京都千代田区)

【森林の守り人賞】      コクヨ株式会社      (大阪市)

【想いをつなぐスイーツ賞】 株式会社シュゼット・ホールディングス(兵庫県西宮市)

【海を渡る100万足賞】    株式会社そごう・西武   (東京都千代田区)

【防災の見はり番賞】     TOA(ティーオーエー)株式会社 (神戸市) ※社名50音順

 

<贈呈式>    

・ 日時 : 2021年2月19日 (金) 15時より

・ 会場 : 学士会館320号室 (東京都千代田区神田錦町3-28)

 

※本リリースの解禁日時は2020年12月24日(木)15:00です※

 

 

【選考のポイント】

革新性 : 固定観念や既成概念にとらわれず、先駆的に行動し新たな社会価値を創造している。

継続性 : 一過性に終わることなく、真摯に活動を継続している。

波及性 : 従業員はじめステークホルダーの参画、他企業や他セクターとの連携など社内外への広がりがみられる。

経営との関連性 : 経営陣の関与・経営理念との関連性が明確である。

経営資源の活用 : 事業活動により培われた経営資源(人材・ノウハウ・技術・情報など)を活用している。

 

【選考委員】(敬称略) 

委員長 國部 克彦 神戸大学 副学長/経営学研究科 教授

    井手 明子 住友商事株式会社 社外取締役

            佐藤 雄二郎 株式会社共同通信社 取締役副会長

            渋澤 健  コモンズ投信株式会社 取締役会長

 

【公益社団法人日本フィランソロピー協会について】

1963年設立、1991年よりフィランソロピーの推進事業を開始。2009年に公益社団法人としての認定を受ける。企業のCSR・社会貢献担当者を対象とした定例セミナーや機関誌 『フィランソロピー』 の出版などの各種事業を通じて、民間の果たす公益の主体となる企業や個人の社会参加意識を高め、公正で活力ある心豊かな社会の実現を目指す。会員企業は128社 (2020年12月24日現在 ) 。ホームページ: https://www.philanthropy.or.jp/

 


贈呈対象活動と贈呈理由

★企業フィランソロピー大賞  
エーザイ株式会社

<対象活動>業務時間の1%を患者(生活者)とともに過ごす「ヒューマン・ヘルスケア(human health care)活動」

<贈呈理由>同社は、「患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する」という企業理念(hhc理念)のもと、患者(生活者)の暮らしや人生に価値をつくる取り組みを推進している。2005年にはこの理念を定款に盛り込み、「本会社の使命は、患者様満足の増大であり、その結果として売上、利益がもたらされ、この使命と結果の順序が重要と考える」と明言、株主を含めた共通価値となっている。

理念を具現化する取り組みとして、知識創造理論を用いたヒューマン・ヘルスケア活動を実施し、すべての従業員、経営者、社外取締役に対して就業時間の1%を患者(生活者)とともに過ごす「共同化」を推奨。さらに、「プライスゼロ」ビジネスと位置づけ、2013年に出荷したリンパ系フィラリアの治療薬DEC(ジエチルカルバマジン)錠は、WHO(世界保健機関)を通じて、2020年10月までに28ヵ国に20億錠以上を無償提供。加えてインドの貧困地域では、排水溝清掃活動や衛生教育なども含めた総合的な対策を行なっている。また、所得別段階的価格設定を日本企業として初めて取り入れるなど、医薬品アクセスとコミュニティづくりに貢献している。

人々が幸せに暮らせる社会の実現に向け従業員が真価を発揮する企業風土と覚悟ある活動に、敬意を表したい。

 

城南信用金庫

<対象活動>「“よい仕事おこし”フェア」「よい仕事ネットワーク」による地方創生の取り組み

<贈呈理由>同庫は、協同組織金融機関として東京都と神奈川県を営業エリアとする一方、全国の信用金庫の力を結集し、地域を超えた課題解決のプラットフォームを創出。専属のコーディネーターが各地の「困りごと」を吸い上げ、適切な支援につなげている。きっかけは2012年、東日本大震災により落ち込んだ地域経済を活性化するために実施した「“よい仕事おこし”フェア」。毎年開催する中で培ったノウハウを生かし、2019年には、「よい仕事おこしネットワーク」を立ち上げ、専用サイトをオープン。全国の254 信金中249信金によるネットワークへと成長し、取引先企業の「困っている」「売りたい」「買いたい」「組みたい」などの悩みや要望を全国の信用金庫だけでなく、大手・中小のバイヤー等に発信するなどして、中小企業同士のビジネスマッチングや課題解決につながっている。地域の制約を超え、業務上の利害対立を生まずにネットワークを構築したことは、これまでにない社会価値を創造したと評価できる。

コロナ禍でさらに露呈した地域経済、中小企業や農林水産関係者が抱える課題の解決に向けた地域金融機関の王道と、それを全国規模で遂行する骨太の取り組みに、敬意を表したい。

 

★企業フィランソロピー賞
≪安心を届ける手のひら賞≫ 株式会社大垣共立銀行

<対象活動>手のひら認証ATM「手のひらソリューション」

<贈呈理由> 同行は、「地域に愛され、親しまれ、信頼される銀行」という基本理念のもと、課題解決事業に率先して取り組んでいる。同行グループ各社の職員で構成する「OKB社会貢献クラブ」でのボランティア活動とともに、企業文化を窺わせるものである。2012年に開始した、手のひらによる生体認証ATM「手のひらソリューション」は、東日本大震災で被災した人の中に通帳やキャッシュカードを失い困った人がいたことがきっかけ。避難すべき時に通帳などを取りに戻った人がいたと聞き、銀行のサービスが顧客の命を危険に晒すことにつながってはならない、との方針で開発。各店舗窓口、ATMのほか、災害支援車両「OKBレスキュー号」にもATMを搭載している。「お客様目線」「地域とともに」を具現化する取り組みを高く評価したい。

≪資源の循環賞≫ KDDI株式会社

<対象活動>携帯電話のマテリアルリサイクルと障がい者の就労機会創出の取り組み

<贈呈理由> 同社は、「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」を企業理念とし、社会課題の解決と社会の持続的な成長に貢献するサステナビリティ活動に取り組んでいる。とりわけ、「都市鉱山」とたとえられる使用済み携帯電話、スマートフォンを手分解することで、各種金属、プラスチック等を18種類に分別し99.8%の高いマテリアルリサイクル率を実現(業界全体の実績は72.6%)。手分解作業は特例子会社KDDIチャレンジドを中心に障がい者の新たな職域を開発している。地球環境への負荷を抑制することに加え、再資源化された原料の売却益は森林保全活動の経費として活用している。資源循環と森林保全、障がい者の働く機会創出につながる取り組みを高く評価したい。

 

≪森林の守り人賞≫  コクヨ株式会社

<対象活動>結の森プロジェクト

<贈呈理由>同社は、2006年より高知県四万十町大正地区の民有林を「結の森」と名付け、「人工林の再生」と「自然環境と地域社会の再生」をテーマに、間伐材の有効活用を中心とした森林保全を開始。対象面積は5,425ha、累計間伐面積は1,789ha、すべてFSC認証(※)を取得している。木の成長には長い期間を要するが、四万十町森林組合が間伐など森林の適正管理を行ない、同社が間伐材を活用したオフィス家具を開発・販売することで「環境と経済の好循環」を目指す。商品開発や営業に携わる従業員や高知県立四万十高校の生徒がモニタリング調査に参加するなど多様な人の参加を促進しながら持続可能な仕組みづくりに挑戦している。環境保全と地域経済活性化の相乗効果をねらう取り組みを高く評価したい。
※FSC認証 国際機関である「森林管理協議会(Forest Stewardship Council=FSC)」が、適正に管理された森林であることを認証する制度

 

≪想いをつなぐスイーツ賞≫  株式会社シュゼット・ホールディングス

<贈呈対象>Smile for TOHOKU from ASHIYA プロジェクト

<贈呈理由>「アンリ・シャルパンティエ」「C3(シーキューブ)」の洋菓子ブランドを展開する同社は、東日本大震災被災地の復興に末永く寄り添うことを目的に、2012年より特別仕様商品「Smile for TOHOKU from ASHIYA」を販売。お菓子を1個減らした詰め合わせを通常価格で販売し、1個分の材料・資材等の費用にあたる金額をお客様からの寄付として預かり、同社が同額をマッチングして現地のNPO等への寄付と奨学金による人材(未来のパティシエ)育成等に活用している。また、お菓子の材料は東北の素材を活用、パッケージデザインは東北の自然や郷土品をモチーフにしている。お菓子を通じて人々を笑顔にしたい、阪神淡路大震災時の恩返しをしたいという意思から生まれた、斬新なアイディアで支援の裾野を広げる取り組みを高く評価したい。

 

≪海を渡る100万足賞≫  株式会社そごう・西武

<贈呈対象>ザンビアの子どもたちに靴を贈る「こども靴 下取りサービス」

<贈呈理由> 同社は、2009年から店舗を拠点とした顧客参加型の取り組み「こども靴 下取りサービス」を開始。そごう・西武各店に専用カウンターを設置、履かなくなった子ども靴を預かり、NGOを通じてザンビア共和国の子どもに配布している。靴は現地の子どもたちの足を寄生虫病や破傷風から守り、輸送に使われたコンテナは、妊婦の出産待機場所として活用される。日本の子どもたちには、店頭ポスターや紙芝居、感謝状等で活動を紹介し、近年は各地の幼稚園協会と連携した普及活動などにより、年間10万足が集まっており、2020年中には累計100万足を超える見通しである。店舗を活用した気づきと参加の場づくり、ザンビアと日本の子どもたちの懸け橋となる活動を高く評価したい。

 

≪防災の見はり番賞≫  TOA(ティーオーエー)株式会社

<贈呈対象>TOA音の防災シアター 「カンカン塔の見はり番」

<贈呈理由>同社は業務用音響機器と、防犯カメラや録画機器などのセキュリティ機器の専門メーカー。昨今では減災防災分野に注力し、高性能スピーカーは、津波警報用途として沿岸部自治体で整備が進む。また、音による情報伝達、危険を報せる音をテーマとしたオリジナル創作人形劇「カンカン塔の見はり番」を制作。2016年より全国の自治体イベントや防災学習施設などでの無償公演を行ない、2019年度までに32回、3,200人を超える子どもたちに人形劇を届けている。絵本も作成し、災害発生時の聴覚情報という普段は忘れがちなコンテンツを日常的な学習に置き換えている。東日本大震災で自治体の防災スピーカーは音を出し危険を報せたが、それだけでは人の命を救うことはできなかった。この反省と悔しさをバネに、一人ひとりの防災意識と「聴く力」の育成という活動に行き着いた。音を専業とする同社ならではの取り組みを高く評価したい。

 

第1回から第17回までの贈呈先は当協会ホームページをご参照ください。

https://www.philanthropy.or.jp/award

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