展覧会「膠を旅する̶̶表現をつなぐ文化の源流」を5月10日から開催

武蔵野美術大学

2021.3.17

武蔵野美術大学 美術館・図書館

 

 

                          ※図版のキャプションは下に記載しています。

 

 

 武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「膠を旅する——表現をつなぐ⽂化の源流」を開催します。日本画の伝統的画材である膠(にかわ)は、絵具と支持体をつなぎとめる素材として、多様な表現を生み出しながら、連綿と続く日本画の系譜を支えてきました。しかしながら、今日において伝統的な手工業による膠の生産は途絶えています。

 本展は、本学共同研究「日本画の伝統素材『膠』に関する調査研究」の成果発表展として、膠づくりの歴史的・社会的背景を見つめ直す現地調査のドキュメントを中心に、実際の動物の皮といった実物資料、さらには当館所蔵の日本画等の膠を用いた作品表現をご紹介します。動物の骨や皮を主な原料とする膠づくりの源流をたどる旅を通して、各地の動物資源の利用とその社会史、膠がつなぐ表現の諸相を多角的に見つめます。

 

展覧会概要

「膠を旅する——表現をつなぐ文化の源流」

会期:2021年5月10日(月)~ 6月20日(日)

会場:武蔵野美術大学 美術館 展示室4・5

開館時間:10:00-18:00(土曜、特別開館日は17:00閉館)

休館日:日曜日  ただし6月13日、20日は特別開館日

入館料:無料

※会期などは変更になる場合があります。

 

主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館  

監修:内田あぐり(武蔵野美術大学 名誉教授)

 

 

本展のみどころ

 武蔵野美術大学共同研究「日本画の伝統素材『膠』に関する調査研究」では、すでに途絶えてしまった膠づくりの歴史的・社会的背景を見つめ直すため、現地調査の旅を重ねてきました。牛や鹿などの骨や皮、魚の鱗や浮き袋などから溶かし出された動物性タンパク質を原料とする膠には、とりわけ皮革素材を製造する際に余る屑皮や残滓(ざんし)が多く利用されています。膠づくりの道筋をたどるとき、そこには皮革産業を中心とした各地の動物資源利用のあり方、さらには動物の生命を糧とする狩猟の風習といった、ひとつの文化の源流が見えてきます。調査では、大阪や兵庫に伝わる皮鞣(かわなめ)し技術、軍需により発展した東京や埼玉の皮革製造業、北方民族における魚膠(ぎょこう)文化など、多岐にわたって取材が行われました。

 この旅の結びともいうべき本展では、調査に同行した写真家の内田亜里による鮮烈な写真や映像といったドキュメントとともに、多種多様な膠素材や原料となる牛や鹿の皮、実際に工場で使用されている道具類などの実物資料を展示します。さらに本展では、空間デザインを建築家の植村遥、小林恵吾が手がけます。素材と共鳴する展示空間の中で、あらためて膠に潜む獣性や表現を生み出す原質としての動物の本来の姿へと視線を向けることで、膠をめぐる文化の諸相をご覧いただきます。

 あわせて当館の日本画コレクションから、本学教授であった毛利武彦(1920-2010)、麻田鷹司(1928-1987)らの作品や、丸木位里(1901-1995)・丸木俊(1912-2000)夫妻の新収蔵作品を紹介します。丸木夫妻が描いた《原爆の図 高張提灯》は、本共同研究をきっかけに昨年当館に収蔵されることとなり、本展が初公開の場となります。

 

 

図版キャプション

 

冒頭画像

(上段左)1.鹿の生皮(きがわ)の乾燥工程 撮影地:兵庫県姫路市・大﨑商店

(上段右)2.鹿の原皮(げんぴ)の脱毛工程 撮影地:兵庫県姫路市・大﨑商店

(下段左)3.アルカリ処理をした牛皮 撮影地:埼玉県草加市・河合産業

(下段中央)4.鹿膠(上)と牛膠(下)

(下段右)5.丸木位里・丸木俊《原爆の図 高張提灯》1986年 武蔵野美術大学 美術館・図書館 所蔵

 

撮影:(下段右、以外)1~4.内田亜里 

 

 

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本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

図版1. 鹿の生皮(きがわ)の乾燥工程 撮影地:兵庫県姫路市・大﨑商店

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