三井情報、AIでドッキング計算を高度化するソフトウェアを開発
- 標的タンパク質の結合位置予測「DeepSeeker」と親和性予測「KASSAY」の提供を開始 -
三井情報株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:浅野 謙吾、以下 三井情報)は、創薬において「薬物が作用する対象となるタンパク質(以下 標的タンパク質)」が結合する位置を予測するソフトウェア「DeepSeeker(ディープシーカー)」と、新薬候補化合物(*1)と標的タンパク質との結合親和性を予測するソフトウェア「KASSAY(カッセイ)」を開発し、提供を開始しました。両ソフトウェアはタンパク質の構造データや過去の実験データを深層学習させたAIを活用し、有望な新薬候補化合物の絞り込み精度と速度を高度化して創薬プロセスの迅速化を支援するものです。どちらもコンテナ仮想化環境またはMKI-DryLab for Microsoft Azure(*2)上で実行可能で、それぞれ1ライセンス90万円/年(税抜)で提供します。
三井情報は2017年より「創薬AI(人工知能)」の開発を進めている産学連携プロジェクト「ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)」内の「WG4.分子シミュレーション」に参画しています。WG4で創薬におけるタンパク質の原子座標(*3)の深層学習に対するニーズから「AIによるドッキング計算高度化」に取り組み、リガンド結合サイト予測(*4)の論文を実装した「DeepSeeker」とリガンド活性値予測(*5)の論文を実装した「KASSAY」を開発しました。低分子化合物をモダリティ(*6)とする創薬プロセスでは標的タンパク質に効く新薬候補化合物の探索があり、数千万種類以上ある新薬候補化合物から医薬品への展開が見込めそうな化合物(リード化合物)を絞り込む作業があります。そこでリード化合物が標的タンパク質のどこに結合し、そのリード化合物と標的タンパク質の結合親和性と活性化能力を評価します。両ソフトウェアはタンパク質の構造情報の公的データベース「Protein Data Bank(PDB)」に蓄積されたタンパク質の構造データや過去の実験データを学習させ、画像認識技術を利用したAIを活用することにより、有望なリード化合物の絞り込みの精度と速度を向上させ、創薬プロセスの迅速化が期待できます。
- 創薬プロセスにおける「DeepSeeker」と「KASSAY」の利用イメージ -
■「DeepSeeker」の特徴
- 標的タンパク質の原子座標を入力するだけでリード化合物が結合しやすい位置やリード化合物が標準タンパク質に結合しやすい構造かについて、リガンド結合サイト予測で評価
- 従来、予測が困難であったリガンド結合部位以外の部位であるアロステリックサイトの判定も可能
■「KASSAY」の特徴
- 「DeepSeeker」から導き出された標的タンパク質の構造の位置に対して高い有効性を持って結合するかをリガンド活性値予測で評価
三井情報は1970年代よりバイオサイエンス事業に携わっており、製薬企業・アカデミアとの共同研究や「京」インシリコ創薬基盤プロジェクトへの参画等を通して創薬およびヘルスケア分野におけるIT技術の活用に力を入れてきました。これまで培ったナレッジをもとに開発した「DeepSeeker」および「KASSAY」の提供を通じて三井情報は日本における創薬の進展に貢献していくことを目指します。
(*1) 新薬候補化合物(リード化合物): 医薬品のもととなる候補物質
(*2) MKI Dry-Lab on Azure: 三井情報が提供する計算創薬基盤および計算創薬支援サービス
(*3) 原子座標: タンパク質の構成原子の相対位置を3次元座標上の位置とした数値データ
(*4) リガンド結合サイト予測: 標的タンパク質に対して特異的に結合する位置を予測
Bioinformatics33, 3036-3042(2017)
DeepSite: protein-binding site predictor using 3D-convolutional neural networks
https://academic.oup.com/bioinformatics/article/33/19/3036/3859178
(*5) リガンド活性値予測: 標的タンパク質に対して化学刺激が特異的に認識されるかを予測
J. Chem. Inf. Model. 58, 287-296(2018)
KDEEP: ProteinLigand Absolute Binding Affinity Prediction via 3D-Convolutional Neural Networks
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jcim.7b00650
(*6) モダリティ: 薬の素材と機序、治療手段の総称
【関連ページ】
DeepSeeker / KASSAY: https://www.mki.co.jp/solution/bio.html?tab=3
MKI-DryLab for Microsoft Azure: https://www.mki.co.jp/solution/drylab.html
LINC: https://linc-ai.jp/
【三井情報株式会社について】
三井情報株式会社(MKI)はキャッチコピー『ナレッジでつなぐ、未来をつくる』を掲げ、ICTを基軸とした事業戦略パートナーとしてお客様のIT戦略を共に創り、デジタルトランスフォーメーションを支援しています。半世紀にわたり培った技術や知見の結実である“KNOWLEDGE”を活かし、お客様と共に価値を創造する「価値創造企業」として絶え間ない挑戦を続けていきます。
ホームページ: https://www.mki.co.jp/
※三井情報、MKI及びロゴは三井情報株式会社の商標または登録商標です。
※本リリースに記載されているその他の社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
【本製品サービスに関するお問い合わせ先】
三井情報株式会社
バイオヘルスケア営業部
TEL : 03-6376-1291 E-mail : bio-contact-dg@mki.co.jp
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 三井情報株式会社
- 所在地 東京都
- 業種 ソフトウエア・SI
- URL https://www.mki.co.jp/
過去に配信したプレスリリース
三井情報、ServiceNow運用保守サポートを2024年10月より開始
10/25 11:00
トインクスとの業務提携を見据えた共創の取組みを開始
10/15 11:00
三井情報、業務管理プラットフォーム「monday.com」を提供開始
9/11 11:00
三井情報、Menlo Security 新ライセンスを2024年9月より販売開始
9/3 11:00
三井情報・シスコ・KDDIエンジニアリング、進和小牧SFiCラボへローカル5G導入
2/22 11:00
東京海上日動火災保険へ営業支援アプリ「Vymo」を導入
2/13 11:00