アッヴィ、進行期パーキンソン病患者さんの治療薬として、「ヴィアレブ(R)」を日本で発売

アッヴィ

2023年7月26日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、進行期パーキンソン病患者さんの治療薬として、「ヴィアレブ(R)(ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物配合剤)」を日本で発売

 

ー ヴィアレブ(R)(ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物配合剤)はレボドパ/カルビドパのプロドラックであり、外科的手術を必要としない初めてかつ唯一の24時間持続投与可能な皮下注射剤

ー 日本が世界で初めて進行期パーキンソン病患者さんにヴィアレブを提供

ー 症状が制御されている「オン」の時間増加が期待できることで、進行期パーキンソン病患者さんの安定した日常生活をサポート

ー パーキンソン病は患者数が増加傾向にある指定難病 1

 

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ジェームス・フェリシアーノ)は、本日7月26日、レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動を改善する治療薬として「ヴィアレブ(R)配合持続皮下注」(以下、「ヴィアレブ」)を発売しました。ヴィアレブは、レボドパ/カルビドパ(以下、「LD/CD」)の分子構造を改良し、アッヴィが開発したホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物から成る製剤です。本製品は、進行期パーキンソン病患者さんの治療薬としては、外科的手術を必要としない日本で初めてかつ唯一の24時間持続投与が可能な皮下注射剤です。日本は、進行期パーキンソン病患者さんにヴィアレブを提供する、世界で初めての国です。

 

アッヴィ合同会社社長のジェームス・フェリシアーノは、ヴィアレブの発売にあたり次のように述べています。「本日、進行期パーキンソン病治療の新たな選択肢となるヴィアレブを、世界で初めて日本で発売できることを大変嬉しく思います。ヴィアレブは治療薬を24時間持続的に投与することで『オン』の時間増加が期待でき、症状を従来よりも制御しうる、新たな治療法となります。今後も、アッヴィはパーキンソン病患者さんやご家族、治療に関わる方々の笑顔に貢献できるようまい進してまいります」

 

現在、パーキンソン病の薬物治療ではLD/CDの併用が標準治療とされています2が、疾患の進行に伴い経口 LD/CD 薬の頻回な服用が必要となります。一部の患者さんでは1日平均 10-11 錠の経口投与により、患者さんおよび介護者の双方の負担が大きくなります3。また、疾患がさらに進行すると、経口薬、貼付薬、皮下注射剤といった治療では適切な症状のコントロールが困難となることがあります。こうした症状のコントロールが困難な進行期パーキンソン病患者さんに対する治療選択肢として、これまで利用可能な治療方法は手術を必要とするデバイス補助治療が主でした。

 

ヴィアレブは外科的手術を必要としないため、入院や術後の管理など患者さんへの負担が少ない治療法です。そのため、これまでの進行期パーキンソン病治療におけるアンメットメディカルニーズの解決につながることが期待されます。

 

日本国内においてパーキンソン病は指定難病であり、パーキンソン病患者さんは約16万人と年々増加傾向にあります1。脳におけるドパミン産生細胞の消失によって引き起こされる進行性かつ慢性の神経障害であり、根治療法は未だ見つかっていません。主な症状として、無動、振戦(ふるえ)、および筋強剛などがあります4

 

パーキンソン病が進行すると、運動機能および非運動機能の日内変動やジスキネジア等の運動合併症が発現します。患者さんには「オン」状態(症状が概ねよく制御されている)から「オフ」状態へのスイッチが起こることが報告されており、「オフ」状態の間、振戦やこわばりが再び出現し、動作がさらに困難になります5。また、日常活動を著しく妨げるジスキネジア(不随意運動)が現れることもあります5。運動合併症の発現は神経細胞変性と血漿中レボドパ濃度の変動に起因しており、診断から2~5年後に50%、10年後には約80~100%の患者さんで運動合併症の出現が報告されています6

 

順天堂大学 医学部 脳神経内科の服部 信孝教授は、次のように述べています。「パーキンソン病患者さんと医療従事者の共通の目標は、日常生活に支障となるジスキネジア(不随意運動)を伴わず症状がよく制御されている『オン』の時間を増やすことです。これまで、さまざまな治療薬が発売されましたが、パーキンソン病は進行性の疾患であるため、治療を進めていく間に薬の種類や服用する回数が増えたり、飲み方をどんなに工夫しても症状を十分にコントロールできなくなる場合があります。ヴィアレブは、LD/CDの24 時間持続投与を可能とすることで『オン』の時間を増やし、進行期パーキンソン病患者さんの『あきらめない治療』を実現する可能性を秘めています」

 

ヴィアレブは、日本において2022年3月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2022年12月に、レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善を適応症として承認されました。本承認は、進行期パーキンソン病患者さんを対象とした、日本も参画した国際共同第III相試験(M15-741)および海外の第III相試験(M15-736)の有効性データおよび安全性データ に基づいています。より詳細な情報は、www.clinicaltrials.gov (NCT04380142、NCT03781167)にてご覧いただけます。

 

ヴィアレブは、専用のポンプ「ヴィアフューザー(R)」をはじめとした医療機器である「ヴィアフューザー(R)皮下投与システム」を用いて投与されます。「ヴィアフューザー(R)皮下投与システム」は、アルフレッサファーマ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:島田 浩一)が2022年11月に製造販売承認を取得したものです。

 

写真:ヴィアレブ(R)配合持続皮下注

 

写真:ヴィアフューザー(R)皮下投与システム

 

ヴィアレブ(R)配合持続皮下注 製品概要

販売名

ヴィアレブ(R)配合持続皮下注

一般名

ホスレボドパ・ホスカルビドパ水和物配合剤

効果又は効能

レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善

用法および用量

本剤投与前の経口レボドパ量に応じて1時間あたりの注入速度を設定し、24時間持続皮下投与する。患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合には、持続投与開始前に負荷投与を行う。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。

通常、成人には、本剤を0.15~0.69mL/時間(レボドパ換算量として約26~117mg/時間)で持続投与する。負荷投与を行う場合は本剤0.6~2.0mL(レボドパ換算量として約100~350mg)を投与する。追加投与は本剤を1回あたり0.1~0.3mL(レボドパ換算量として約17~51mg)で投与する。

本剤の投与量は症状により適宜増減するが、1日総投与量は16.67mL(レボドパ換算量として2840mg)を超えないこと。

製造販売元

アッヴィ合同会社

 

ヴィアフューザー(R)皮下投与システム 製品概要

販売名

ヴィアフューザー(R)皮下投与システム

構成

本品は、ヴィアフューザー(輸液ポンプ)、VF輸液セット、VFシリンジ、VFバイアルアダプタで構成される。

使用目的又は効果

本品は、「販売名:ヴィアレブ配合持続皮下注」(製造販売業者:アッヴィ合同会社)を持続皮下投与するための専用システムである。

製造販売元

アルフレッサファーマ株式会社

 

ヴィアレブについて

ヴィアレブ(ホスレボドパ/ホスカルビドパ配合剤)は、レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善を適応として承認されています。ヴィアレブは、LD/CDを24時間持続皮下投与することで、進行期パーキンソン病患者さんの運動機能の変動を改善する治療薬です。

 

パーキンソン病について

パーキンソン病の患者数は全世界で1,000万人以上といわれています7。パーキンソン病は無動、振戦(ふるえ)、および筋強剛を特徴とする進行性かつ慢性の神経障害です8。パーキンソン病の運動症状は、脳におけるドパミン産生細胞の消失によって引き起こされ、ドパミン産生細胞の約60~80%が消失した時点で発現し始めます9。症状は経時的かつ緩徐に悪化し続けます10。パーキンソン病に対する根治的治療法は知られていませんが、症状の軽減に有用な治療法があります11

 

パーキンソン病が進行すると、「オン」状態(症状が概ねよく制御されている)から「オフ」状態への変動が起こります。この間、振戦やこわばりが再び出現し、動作がさらに困難になります5。日常活動を著しく妨げるジスキネジア(不随意運動)が現れることもあります5。運動機能の日内変動やジスキネジア等の運動合併症の発現は、病気の進行とレボドパ濃度の変動に起因し、治療開始2~5年後に50%、治療開始10年で約80~100%の患者さんで報告されています6

 

精神・神経疾患領域におけるアッヴィ

アッヴィは、世界中の精神・神経障害を抱える患者さんがその人らしく生きられるよう、継続した取組みを行っています。当社は、精神・神経疾患領域における30年を超える経験を活かし、有意義な治療選択肢を提供するとともに、未来に向けて技術革新を押し進めています。当社の精神・神経疾患領域のポートフォリオは、片頭痛、運動障害、精神障害などの精神・神経障害に対する承認された治療法に加え、革新的な治療法の強固なパイプラインで構成されています。当社は研究に対して積極的に投資を行い、精神・神経障害への理解を一層深めるよう努めています。挑戦を重ねるごとに、患者さん、介助者や臨床医の皆さんのためにソリューションを発見し提供していくという固い決意と情熱を抱き前進しています。詳細な情報はwww.abbvie.com.をご覧ください。

 

アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、ウイルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookInstagramYouTubeLinkedInでも情報を公開しています。

 

日本においては、1,500人を超える社員が、医療用医薬品の開発、輸入、製造販売に従事しています。免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がんの各領域を中心に、患者さんの人生を豊かにしたいと願い、日々の業務に取り組んでいます。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。

 

1.厚生労働省 平成29年患者調査(傷病分類編)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h29syobyo.pdf Accessed May 25, 2023.

2.Varanese S, Birnbaum Z, Rossi R, et al. Treatment of advanced Parkinson's disease. Parkinsons Dis. 2011;2010:480260.

3.Bhimani R. Understanding the burden on caregivers of people with Parkinson's: a scoping review of the literature. Rehabil Res Pract. 2014;2014:718527.

4.日本神経学会監修「パーキンソン病診療ガイドライン2018」 https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_07.pdf Accessed May 25,2023.

5.Wearing off and motor fluctuations. European Parkinson's Disease Association. Available at: https://www.epda.eu.com/about-parkinsons/symptoms/motor-symptoms/wearing-off-and-motor-fluctuations/.Accessed May 25, 2023.

6.Freitas ME, Hess CW, Fox SH. Motor Complications of Dopaminergic Medications in Parkinson's Disease. Semin Neurol. 2017;37(2):147-157. doi:10.1055/s-0037-1602423).

7.Statistics. Parkinson's Foundation. Available at: https://www.parkinson.org/Understanding-Parkinsons/Statistics#:~:text=More%20than%2010%20million%20people. Accessed May 25, 2023.

8.About Parkinson's: Parkinson's 101. The Michael J. Fox Foundation for Parkinson's Research. Available at: https://www.michaeljfox.org/understanding-parkinsons/i-have-got-what.php#q2. Accessed May 25, 2023.

9.Parkinson's Disease: Hope Through Research. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Available at: https://www.ninds.nih.gov/Disorders/Patient-Caregiver-Education/Hope-Through-Research/Parkinsons-Disease-Hope-Through-Research#:~:text=Loss%20of%20dopamine%20results%20in,by%20the%20time%20symptoms%20appear. Accessed May 25, 2023.

10.Parkinson's Disease: Challenges, Progress, and Promise. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Available at: https://www.ninds.nih.gov/Disorders/All-Disorders/Parkinsons-Disease-Challenges-Progress-and-Promise. Accessed May 25, 2023.

11.Parkinson's Disease. National Institute on Aging. Available at: https://www.nia.nih.gov/health/parkinsons-disease. Accessed May 25, 2023.

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