AI の活用や開発、規制に関する国際的なルール作りに向けた提言をまとめたレポートを公開

日本におけるAIガバナンスの推進

2023年10月6日

日本マイクロソフト株式会社

 AI の利用が急速に広まる一方で、この新しいテクノロジを使ってどのように問題を解決できるのか、そしてこのテクノロジを適切に管理するにはどうしたらよいか、といった疑問が世界各国で寄せられています。

 

日本においては、社会的な課題である労働人口の減少と高齢化に、AI を活用することで、人口構成の変化やその他の社会変化に対応しながら経済成長を促進する必要があるでしょう。今回マイクロソフトが公開したレポート「AI のガバナンス: 日本に関する青写真」では、当社からの提案を日本の状況に当てはめていくつかご紹介しています。

 

AI は、人類にとって強力なツールであり、学習と思考の進化を支えるとともに、社会問題の解決に役立つことは明らかです。しかし、AI の使用には、倫理的な原則と法的な枠組みが必要であり、機械には人間の管理と説明責任が必要です。マイクロソフトは、本レポートにおいて、「責任ある AI 」原則のもと、こうした課題に取り組んできた方法やベストプラクティスを紹介し、日本の状況に合わせた政策提言を行います。また、日本における AI 活用の事例を紹介し、国際的な対話や協力を通じて、当社も AI ガバナンスの推進に貢献していく姿勢を明らかにしています。

 

関連ブログはこちら

https://news.microsoft.com/ja-jp/2023/10/06/231006-about-the-potential-of-ai-in-japan/

レポートの全文はこちら

 https://1drv.ms/b/s!ArnyW5aGRxHFkzl4IvCOFV8ROhPs?e=kF9l2h

 

本レポートの第一部では、日本が AI に関する政策、法律、規制を検討する5つのポイントについて述べています。また、第二部では、マイクロソフト社内の倫理的な AI への取り組みに焦点を当て、どのように「責任ある AI 」の運用を行い、文化を構築しているかを紹介しています。さらに、第三部では、AI がすでに日本の主要な社会問題の解決に役立っていることを示す事例を紹介しています。

 

AI の公共ガバナンスのための 5 つのポイント

 

マイクロソフトは、「責任ある AI 」プログラムで得られた教訓を基に、AI ガバナンスの推進に役立つ 5 項目から成るアプローチの詳細を示す青写真を 5 月に公開しました。ここでは、日本の状況に即してそうした政策アイデアや提言を示します。具体的なステップは以下のとおりです。

 

AI の公共ガバナンスのための 5 つのポイント

 

・政府主導の新たな AI 安全フレームワークを実装し、それをベースに構築する

・重要インフラストラクチャを制御する AI システムのために、効果的な安全ブレーキを義務付ける

・AI のテクノロジ アーキテクチャに基づく、幅広い法規制の枠組みを策定する

・透明性を促進し、学術界や非営利団体が AI を利用できるようにする

・新たな官民パートナーシップの推進により、新しいテクノロジに付随する不可避の社会的課題に対処するための効果的なツールとして、AI を使用する

 

「 責任ある AI 」に対する国際的に相互運用可能かつ俊敏なアプローチの実現に向けた取り組みは、AI のメリットを地球規模で最大化するために欠かせません。マイクロソフトは、AI ガバナンスが目的地ではなく継続的な取り組みであることを認識しながら、これらの活動を何か月も何年もかけて支援していきます。

 

マイクロソフト内での AI ガバナンス

 

マイクロソフトは AI ガバナンスを重視しています。「責任ある AI 」関連業務に従事する社員は 350 名所属しており、引き続き増員していきます。

また、過去 6 年でマイクロソフトは、ガバナンスの構造を全社的に強化しており、サイバーセキュリティやプライバシーに関するベストプラクティスからの知見を取り入れています。AI の倫理原則を策定し、それに基づく具体的なポリシーと企業基準の整備を進め、実装に際しては様々なツールやトレーニングを実施しています。

 

責任ある AI に対するマイクロソフトの取り組み

 

2019 年からは、特に機密性の高い AI のユースケースのレビュープログラムを導入。これにより 600 件以上の詳細なレビューが行われてきました。当社が推進する「責任ある AI 」では、これを支える人材育成や分野横断的なアプローチが必要とされています。また、グローバルな関係者の意見を取り入れ、AI ガバナンスに関する議論を前進させるための取り組みを行っていきます。

 

以上

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