博報堂教育財団こども研究所が小4~中3の子どもの中長期的な変化を見る時系列調査「こども定点」をスタート

見えてきたのは、なにより家族を大切に思う、おだやかで協調性の高い子どもたち

博報堂教育財団

2024年4月26日

 公益財団法人博報堂教育財団の調査研究機関 こども研究所では、2019年から3年間実施した「子どもの体験と認識に関する年次定点調査」をリニューアルする形で、2023年度より新たに「こども定点」をスタートしました。​本調査は、子どもを“体験を通して自ら成長する主体的な存在”と捉え、「体験」を起点に、「人との関わり」「価値観」「自己認識」などについて聴取しています。同じ条件の対象者に対し同じ質問で継続的に実施することで、データを蓄積し、中長期的な子どもの変化をみることを目的としています。そのスタートとなる 2023年の調査結果から見えてきたのは、何よりも家族を大切に思う、おだやかで協調性の高い子どもたちの姿です。

 

【調査概要】
◆調査対象:小学4年生~中学3年生の男女2,400人
◆調査手法:インターネット調査

◆調査エリア:全国
◆調査時期:2023年9月15日~10月10日

 

「こども定点2023」主な調査結果

【体験】 「動画をみる」のは生活の一部

・【体験】では、子どもにとっての様々な体験71項目について、〈ふだんしていること〉〈これからしたいこと〉などを聞いています。

・その中で目立つのが「動画をみる」のスコアの高さです。〈ふだんしていること(よくしている)〉で「動画をみる」が74.9%で、「家族と晩ごはんを食べる(90.1%)」「友だちと楽しくおしゃべりする(73.9%)」「学校に行って勉強する(71.5%)」などの日常の生活行動に交じって、2位になりました。

・また、〈これからしたいこと〉でも「動画をみる」が86.0%で「友だちと楽しくおしゃべりする(85.9%)」「友だちと遊ぶ(83.5%)」などを僅差で抑えて1位になりました。

・さらに〈よくする趣味や遊び〉でも1位になるなど、「動画をみる」のはもはや子どもたちの生活の一部となっていることがわかります。
→詳しくは、結果詳細【体験】「動画をみる」のは生活の一部

 

【人との関わり】 「お母さん」の圧倒的な存在感

・【人との関わり】では、〈ふだん接している人〉〈好きな人〉〈参考にする考えや意見〉〈まわりの人との関係性〉を聞いています。

・そこで際立つのは「お母さん」の存在感です。〈好きな人〉で、「お母さん」は89.2%で、2位の「学校の友だち(79.2%)」、3位の「お父さん(73.9%)」に10pt以上の差をつけて1位になりました。

・また、〈参考にする考えや意見〉でも「お母さんの意見」は89.9%で、2位の「お父さんの意見(67.5%)」以下を寄せ付けない圧倒的な1位でした。

・そのほか、〈まわりの人との関係性〉でも、〈よく話をするほうだ〉を始めとして「お母さん」が軒並み1位になるなど、子どもたちにとっての「お母さん」の存在感と影響力の大きさがあらためて浮き彫りになりました。
→詳しくは、結果詳細【人との関わり】「お母さん」の圧倒的な存在感

 

【価値観】 何より「家族」が大切

・【価値観】では、〈大切だと思うもの〉〈帰属意識〉を聞いています。
・〈大切だと思うもの〉では、提示した20項目のうち、「家族」が74.4%で突出して1位になりました。2位は 「友情(61.7%)」で、3位には「お金(59.9%)」が「健康(56.4%)」「思いやり(54.0%)」以下を抑えてランクインしました。
・また、〈帰属意識〉でも『その一員、なかま』だと感じるものとして「家族」が90.8%で、圧倒的な1位となり、「家族」が子どもたちのこころの拠り所となっていることがわかる結果となりました。

→詳しくは、結果詳細【価値観】 何より「家族」が大切

 

【自己認識】 いまの自分は「やさしい」「思いやりがある」「まわりに合わせる」

・【自己認識】では、〈いまの自分〉〈なりたい自分〉などについて聞いています。
・そこで見えてきたのは、おだやかで協調性の高い子どもたちの姿です。人柄や性格を表す29の言葉を使って聞いた〈いまの自分〉では「やさしい(75.9%)」「思いやりがある(73.8%)」「まわりに合わせる(72.0%)」が上位3位となりました。

・また、〈なりたい自分〉では「思いやりがある(94.5%)」「やさしい(94.1%)」の次に、「礼儀正しい(91.2%)」が3位となりました。

・一方で、〈なりたい自分〉の中で特にあてはまるもの《5つまで》を聞いたところ、順位は大きく変わって「頭がいい」「運動神経がいい」など能力系の項目が上位にあがります。もっと能力を高めたいという想いが、より切実なことがうかがえます。
→詳しくは、結果詳細 【自己認識】 いまの自分は「やさしい」「思いやりがある」「まわりに合わせる」

 

 

結果詳細

【体験】 「動画をみる」のは生活の一部

 

〈ふだんしていること〉

 「家族と晩ごはんを食べる」「友だちと楽しくおしゃべりする」「学校に行って勉強する」などの日常の生活行動に交じって、「動画をみる」が2位になりました。

 

ふだんしていること(よくしている) 全体TOP15

Q.あなたはふだん、どんなことをしていますか。

 

〈これからしたいこと〉

「動画をみる」が「友だちと楽しくおしゃべりする」「友だちと遊ぶ」などを僅差で抑えて1位になりました。 

 

これからしたいこと 全体TOP15

Q.あなたが、これからしたいと思うことはなんですか。
    

 

〈よくする趣味や遊び〉

「動画をみる」が「ゲーム機でゲームをする」「テレビ番組をみる」などを抑えて1位となりました。

 

よくする趣味や遊び 全体TOP15

Q.あなたが、学校以外でよくする趣味や遊びはなんですか。
     

【人との関わり】 「お母さん」の圧倒的な存在感

 

〈好きな人〉

「お母さん」が2位の「学校の友だち」、3位の「お父さん」に10pt以上の差をつけて1位になりました。

 

好きな人 全体TOP15

Q.ふだん接している人の中で、あなたが好きな人は誰ですか。


〈参考にする考えや意見〉

「お父さん」の意見が「学校の友だち」「担任の先生」などを抑えて2位に浮上するものの、1位の「お母さん」の意見とは22.4ptの大差となりました。

 

参考にする考えや意見 全体TOP15

Q.ふだんあなたが何かをしたり、決めたりするときに、参考にする考えや意見はどれですか。  
    

〈まわりの人との関係性〉

 〈よく話をするほうだ〉〈自分のことをわかってくれていると思う〉〈困ったことや悩みを相談できる〉のいずれも、1位は「お母さん」、以下は2位「学校の友だち」、3位「お父さん」の順となりました。

 





【価値観】 なにより「家族」が大切

 

〈大切だと思うもの〉 
「家族」が突出して1位になりました。2位は「友情」で、3位には「お金」が「健康」「思いやり」などを抑えてランクインしました。

 

 大切だと思うもの 全体

Q.あなたが大切だと思うものはなんですか。

 

 

〈帰属意識〉

『その一員、なかま』と感じるものとして「家族」が突出しています。学校関連では「学校」より「クラス」が高くなっています。

 

帰属意識 (『その一員、なかま』と感じるもの) 全体 

Q.あなたが「その一員、なかま」だと感じるのはどれですか。 
   

 

【自己認識】 いまの自分は「やさしい」「思いやりがある」「まわりに合わせる」

 

〈いまの自分〉

《いくつでも》 では「やさしい」「思いやりがある」「まわりに合わせる」が上位 3 位となりました。

 

いまの自分《いくつでも》 全体TOP15

Q.いまの自分を言葉で表すと、あなたは「どんな人」ですか。 

  


〈なりたい自分〉

 《 いくつでも 》 では 「思いやりがある」「やさしい」の次に、「礼儀正しい」が 3 位にランクインしました。

 

なりたい自分《いくつでも》全体TOP15
Q.あなたは「どんな人」になりたいですか。 

  


〈いまの自分〉の《いくつでも》と《5つまで》

〈なりたい自分〉の中で特にあてはまるもの≪5つまで≫を聞いたところ、順位は大きく変わって「頭がいい」「運動神経がいい」など能力系の項目が上位にあがりました。もっと能力を高めたいという想いが、より切実なことがうかがえます。


  

 

 

「こども定点2023」調査概要

 

◆調査手法  :インターネット調査

◆調査エリア :全国

◆調査対象者 :小学4年生~中学3年生の男女:2,400人

◆割付    :1学年あたり男子・女子各200人×6学年

※「子ども調査」に回答した子どもの保護者2,400人にも兄弟構成や子どもが通っている学校種別、子どもと一緒に過ごす時間などの属性調査項目を聴取している。

 

◆調査実施時期:2023年9月15日~10月10日

◆企画・分析 :公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所

◆実施・集計 :株式会社 H.M.マーケティングリサーチ

◆調査パネル :株式会社 マクロミル

 

「こども定点2023」の調査レポートを発刊しました。

※ご希望の方に配布しています。下記「問い合わせ・資料請求」までお問い合わせください。 

 

 

公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所について 


【公益財団法人 博報堂教育財団】

 


 

 博報堂教育財団は、児童に対する国語教育と視覚・聴覚障がい者に対する教育を助成し、あわせてその活動に関する調査研究を行うことで、健全な人間形成に寄与することを目的に、1970年に財団法人博報児童教育振興会として誕生いたしました。その後、2011年に公益認定を受け、2020年に現在の名称に変更しました。

 設立から50年以上を経た今日では、「子ども・ことば・教育」を活動領域ととらえ、設立以来の事業である、児童教育の実践者を顕彰する「博報賞」をはじめ「児童教育実践についての研究助成」「教職育成奨学金」「海外の子どもたちとの日本語交流や日本語教育支援」「社会啓発事業」「調査研究事業」など、さまざまな活動を行なっています。

 

【博報堂教育財団 こども研究所】

 

 博報堂教育財団こども研究所は、弊財団の調査研究事業の一環で、2017年に設立されました。独自の調査や実験的な取り組みによって子どもの姿をありのままに捉え、子どもたちの可能性について新たな発見をし、それを社会と共有することで、子どもに対する見方やイメージの枠を広げていくことを目指しています。

 

 こども研究所ホームページでは、調査研究の結果を広く公開しています。

https://kodomoken.hakuhodofoundation.or.jp/

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

わかってくれている

相談できる

よく話をする

よくケンカをする

帰属意識

好きな人

よくする趣味や遊び

これからしたいこと

していること(よくしている)

参考にする意見や考え

大切だと思うもの

関わり上

割付

関わり下

なりたい自分《いくつでも》《5つまで》

表紙・目次

いまの自分

なりたい自分

財団ロゴ

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