半導体型カーボンナノチューブ(CNT)を選択的に抽出

セルロース樹脂を活用、高性能な熱電発電素子へ応用

産総研

発表のポイント:

◆優れた温度差発電性能をもつ半導体型CNTの抽出方法(純度98%程度)を開発した。

◆天然の高分子セルロースを原料とする樹脂を抽出剤に用いており、セルロースが示すグラファイト表面の識別能力を最適にする方法を実証するとともに、応用面では半導体型CNTの分離精製コストを大幅に抑制できる可能性がある。(密度勾配超遠心分離法などの従来法に比べて短時間で低コスト)

◆本発明は次世代エレクトロニクス、特に温度差発電の普及に寄与する可能性がある。(高い熱起電力が温度差発電の可能性を示唆)

 

発表概要:

京都工芸繊維大学 野々口斐之准教授、奈良先端科学技術大学院大学 河合壯教授、産業技術総合研究所 桜井俊介研究チーム長らは共同で、アルキル化セルロースを抽出剤として用いることで高品質な半導体型カーボンナノチューブ(CNT)を選択的に分離抽出できることを実証しました。アルキル基の種類、置換度(DS)、分子量などの分子構造が分離効率に与える影響を系統的に調べ、中程度に置換されたヘキシルセルロースが特に半導体型CNTの選択的抽出に適していることを明らかにしました。この方法で得られた半導体型CNTは高純度と高結晶性を両立しており、その膜は、分離抽出前のCNTだけでなく、他の従来技術で分離した半導体型CNTをも凌駕する優れた温度差発電能力(熱電変換特性)を示しました。また、この抽出剤は入手容易かつ安価な原料から調製されており、高品質な半導体型CNTの安定供給につながる可能性があります。

 

 

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  • エリア
    東京都
  • キーワード
    研究開発、カーボンナノチューブ、半導体、分離、セルロース、熱電発電
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