名糖運輸が冷蔵冷凍EVトラックを初めて導入 コールドチェーンの最新技術を搭載

カーボンニュートラルをめざすとともに、物流2024年問題にも対応

2024/11/18

株式会社C&Fロジホールディングス

https://www.cflogi.co.jp/

 SGホールディングスグループにおいて、低温物流事業を担う株式会社C&Fロジホールディングス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長執行役員:綾宏將、以下「C&Fロジ」)の主要な事業会社である名糖運輸株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:菅原剛)は、このたび同社初となる冷蔵冷凍EV(電気自動車)トラックを導入し、運用を開始しましたのでお知らせします。 

 

導入したEVトラック11月11日の納車式にて

 C&Fロジは気候変動による変化を重要な経営課題と認識し、持続可能な物流事業を実現するため、TCFD提言に賛同して、CO₂排出量(Scope1・2)を2030年までに2021年度比38%削減、また2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを目標としています。

 運輸業では、全産業に占めるCO₂排出量の構成比が18.5%と2番目に大きく※1、さらにそのうちの38.0%を貨物車・トラックが排出しており、省燃費活動や、低燃費型車両の導入など実施可能な施策に取り組んでいます。しかしゼロエミッションであるBEV(バッテリー式電気自動車)は航続距離が短く長距離輸送に適しておらず、FCV(燃料電池自動車)は水素ステーションの数が限られているため、物流業界では未だ本格的な導入に至っていません。特に名糖運輸が担う食品のコールドチェーンでは、貨物庫内を冷凍装置で常に低温に保ち、食品の安全・安心を担保しているため、より多くのエネルギーが必要とされています。

 C&Fロジでは気候変動に関するリスクや機会の分析において、次世代技術のテスト導入やスモールスタートにより、コールドチェーンにおける将来の技術を見定め、外部との協業を通じて知見を向上することが、持続可能な低温物流の実現に繋がると考え、このたび名糖運輸初となるBEVを導入し、将来のカーボンニュートラルに向けた業務運用を開始しました。

 

 導入した車両は、いすゞ自動車株式会社の「ELF-EV」1台で、導入の提案から導入後の効果検証まで総合的なサポートが期待されます。計画では、1日65km運行で、同格のディーゼルトラックに比べ、年間のCO₂を21%削減※2できると試算しています。配備する名糖運輸西東京物流センターの契約電力が再生可能エネルギー由来ではないため全量削減とはなりませんが、今後電力プランの見直しや、太陽光発電設備の導入などにより、さらなる削減効果を得てまいります。

 また環境問題対応のみならず、物流業界では働き方改革関連法によってドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、結果として輸送能力が不足し荷物が運べなくなるおそれのある、いわゆる物流2024年問題にも対応が求められています。

 今回BEVトラックのコンテナと冷凍装置には東プレ株式会社製を採用しました。特に冷凍装置には同社の特許技術である庫内乾燥モードを搭載しています。冷蔵冷凍トラックは荷物を出し入れするたびに湿った外気が流れ込み、庫内に結露が生じて、そのままだと荷物の段ボール箱が濡れてしまい、品質を損なうおそれが生じます。そのためドライバーは庫内を清掃し、数時間かけて乾燥することで時間制約を受けてしまいます。東プレ株式会社製の乾燥モードは、除湿乾燥を最短約60分で行うことができるため、ドライバーの拘束時間の軽減や、復路に常温輸送を可能にします。

 今回導入したBEVトラックは主に小売業向けの配送業務で運用し、走行や充電など各種データを収集・分析することで、コールドチェーンにおけるBEVの実用可能性と、カーボンニュートラルに向けた効果測定を行い、持続可能な低温物流の実現を目指してまいります。

 

※1 出典:環境省「2022年度の温室効果ガス排出・吸収量」(2024年4月)、電気・熱配分後データ

※2 月間走行距離を1,500km、同じ車格のディーゼルトラックの平均燃費6km/ℓ、ディーゼルのCO₂排出係数を0.00262トンCO₂/ℓとして試算

 

 

≪BEV概要≫

シャーシ : いすゞ自動車株式会社 ELF-EV ワイドキャブ 最大積載量3トン

ボデー  : 東プレ株式会社 FRP製コンテナ 簡易式2室

冷凍装置 : 東プレ株式会社 EV対応電気式冷凍装置

 

≪SDGsへの貢献≫

 

 

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プレスリリース添付画像

導入したEVトラック

11月11日の納車式にて

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