<日本GIF企画協力> 福島県広野町・遠藤智町長がワシントンでの講演会・セミナー4件で講演

〜テーマは「東日本大震災からの広野町の復興と回復の道のり」〜

日本GIF

2025年2月26日

 

環境法研究所(ELI)でのセミナーの模様

 

 公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長:中山幹康、略称:日本GIF)は、2025年2月10日(月)から12日(水)にかけて米国・ワシントンで開催された、福島県双葉郡広野町の遠藤智町長の東日本大震災および福島第一原子力発電所事故後の避難と住民の帰還に関する講演会・セミナー(全4件)の企画協力を行いました。日本GIFは2月11日(火)の環境法研究所(Environmental Law Institute、略称:ELI)でのセミナーでは共催団体として参画、また日本GIF理事長の中山幹康は、同セミナーおよび2月10日(月)の世界銀行日本人会の講演会にも登壇しました。

 各イベントでメインスピーカーを務めた遠藤智町長は、当財団の「自然災害と移住」に関する研究に長年協力いただいており、4つのイベントでは、開催順に「広野町の復興と回復の道のり:防災に強い共生のまちづくりの展望」「『帰還』を超えて:東日本大震災後の福島県広野町のコミュニティの再生と変容」「希望の再生:広野町の復興とレジリエンスの道のり 『早期帰還』から『幸せな帰還』へ」「広野町の復興と再生の道のり:『早期帰還』から『幸せな帰還』へ」と、それぞれのテーマや聴衆者に応じた詳細な報告を行いました。

 以下、4つの講演会・セミナーの開催概要と、2月11日(火)に開催した環境法研究所(ELI)でのセミナーの開催レポートを紹介します。

 

 

講演会・セミナー開催概要

 

1. 世界銀行での日本人会向け講演会

主  催: 世界銀行日本人会

後  援: 日本理事室

日  時: 2025年2月10日(月)13時~14時

開催方式: 対面

会  場: 世界銀行本部(The World Bank、米国・ワシントンDC)

登 壇 者: 遠藤 智(福島県双葉郡広野町 町長)

     中山 幹康(日本GIF理事長)

 

2. 環境法研究所(ELI)でのセミナー

主  催: 環境法研究所(ELI)

共  催: 日本GIF

日  時: 2025年2月11日(火)12時~13時

開催方式: 対面

会  場: 環境法研究所(Environmental Law Institute、米国・ワシントンDC)

登 壇 者: カール・ブルック(ELI上席弁護士、国際プログラムディレクター)

     遠藤 智(福島県双葉郡広野町 町長)

     中山 幹康(日本GIF理事長、ELI上席客員研究員)

 

3. ジョージ・メイソン大学(George Mason University)でのセミナー

主  催: ジョージ・メイソン大学(George Mason University)

日  時: 2025年2月12日(火)9時30分~10時30分

開催方式: オンライン ※天候不順により対面開催からオンライン開催に変更

登 壇 者:
 司 会:ダン・スクラリュー(ジョージ・メイソン大学 教授)

 講演者:遠藤 智(福島県双葉郡広野町 町長)

 討論者:ジェニファー・スクラリュー(ジョージ・メイソン大学 教授)

 

4. ジョージタウン大学法科大学院(Georgetown Law School)でのセミナー

主  催: ジョージタウン大学法科大学院(Georgetown Law School)

日  時: 2025年2月12日(火)12時~13時

開催方式: オンライン ※天候不順により対面開催からオンライン開催に変更

登 壇 者:カール・ブルック(ELI上席弁護士、国際プログラムディレクター)

     遠藤 智(福島県双葉郡広野町 町長)

 

 

環境法研究所(ELI)でのセミナー 講演要旨

 

カール・ブルック博士

・ELIによる2015年の広野町避難者に関する、研究の主要な調査結果を紹介。全体の帰還率は約70%、50歳以上では81%が帰還を計画(当時)。70%以上の避難者が仮設住宅での生活に満足、放射線に対する不安はモニタリングの導入により軽減

・災害復興には単なる物理的な再建だけでなく、社会的結束、行政の適応能力、コミュニティの回復力が不可欠であると指摘

 

遠藤智町長

・講演タイトルは「『帰還』を超えて:東日本大震災後の福島県広野町のコミュニティの再生と変容」。避難した住民を支援しながら、地域の再建と復興を進めてきた広野町のアプローチを紹介

・震災後、住民は日本各地に分散避難し、町のコミュニティは事実上消滅。町は避難住民の所在を把握するためテレビで緊急連絡先を放送し、1か月で約80%の住民の居場所を特定。当初は手作りのニュースレターを作成するなどし、避難住民とのコミュニケーションを確保

・2011年6月に仮設住宅が完成、新たなコミュニティが誕生。再建方針は「移転ではなく元の場所での復興」とした

・現在、住民の92%が帰還し、新たな商業施設や学校が開設され、外部からの移住者も増加。避難生活を経験した住民は、外部支援を受け入れる姿勢が変化した

・広野町の経験から得られた教訓として、(1)災害時は迅速な情報提供が不可欠であること、(2)物理的復興だけでなく住民の心理的回復も重要であること、(3)外部の支援を受け入れ、共に復興を進めることが鍵となること。今後も広野町の経験を広め、他の地域の防災対策に貢献したい

 

中山幹康理事長

・広野町の経験から得られる重要な知見について、以下の点を指摘

(1)情報管理の重要性:災害時の不確かな情報が住民の不安を増大させた一方で、町のテレビ放送などを活用した広報戦略は有効

(2)仮設住宅とコミュニティの適応:仮設住宅で新たなコミュニティが形成されたことは予想外であり、「避難=孤立」という従来の概念が覆された

(3)地域社会の変化:震災後、住民の外部者に対する意識が変化し、より開かれた町になった

(4)多様な支援の重要性:行政だけでなく、ボランティアや研究者の支援が住民の心理的回復に貢献


ジョージタウン大学法科大学院のセミナーで

講演する遠藤智町長

 

世界銀行での日本人会向け講演会の模様

 

ジョージ・メイソン大学のセミナーで使用されたスライドより

(C)遠藤智

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プレスリリース添付画像

世界銀行での日本人会向け講演会の模様

環境法研究所(ELI)でのセミナーの模様

ジョージタウン大学法科大学院のセミナーで講演する遠藤智町長

ジョージ・メイソン大学のセミナーで使用されたスライドより(C)遠藤智

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