【報告書公表のお知らせ】 日本における石炭火力新増設のビジネスリスク
電力需給の現状と今後の見通しについて検証し、石炭火力新増設のビジネスリスクを明らかにしています。新増設計画がすすめられた場合、石炭火力発電所の設備利用率は、現在の80%から大きく低下し、2026年度には56%程度まで下がる可能性があることなどを指摘しています。
2017年7月20日
公益財団法人 自然エネルギー財団
【報告書公表のお知らせ】
日本における石炭火力新増設のビジネスリスク
―設備利用率低下による事業性への影響―
公益財団法人 自然エネルギー財団はこの度、「日本における石炭火力新増設のビジネスリスク―設備利用率低下による事業性への影響―」を公表しました。
パリ協定の成立・発効以降、世界的には、脱炭素経済への転換をめざし、石炭ビジネスから撤退する動きが進んでいますが、日本では 42 基もの石炭火力発電所の新増設計画があります。
本報告書では、電力需給の現状と今後の見通しについて検証し、石炭火力新増設のビジネスリスクを明らかにしています。新増設計画がすすめられた場合、石炭火力発電所の設備利用率は、現在の 80%から大きく低下し、2026 年度には 56%程度まで下がる可能性があること、また、省エネにより 5%程度電力需要が減少すれば、50%を切る可能性もあることを指摘しています。
日本でも、企業の経営戦略の中に脱炭素経済への転換を位置づけ、自然エネルギーの利用拡大をめざす動きが始まっています。企業に対し気候変動に関連する明確な情報開示が求められる中、特に石炭ビジネスに関わる全ての事業者および金融機関には、的確な投融資判断が求められています。本報告書をきっかけにそうした議論が活発化することを期待します。
PDF 版全文は、自然エネルギー財団ウェブサイトにて公開しています。
報告書 日本における石炭火力新増設のビジネスリスク ―設備利用率低下による事業性への影響―
概要版はこちら
<目次>
はじめに
1. 2011 年以降の電力需給の状況
1.1 エネルギー効率化の進展と電力需要の減少
1.2 様変わりした電力供給の状況
1.2.1 自然エネルギーの大幅な増加
1.2.2 原子力発電の減少
1.2.3 火力発電の減少傾向と設備利用率の低下
1.2.4 火力発電所稼働時間の分析~設備利用率低下の背景~
2. 今後の電力需給の見通し
2.1 電力需要の見通し
2.2 電力供給の見通し
3. 石炭火力発電の設備利用率の低下と事業性への影響
3.1 供給計画の想定の検証~石炭火力の設備利用率に影響を与える要素~
3.1.1 自然エネルギー電源拡大の可能性
3.1.2 供給計画想定の 2 倍の石炭火力新増設計画
3.1.3 原子力発電所稼働の想定
3.1.4 供給計画の想定の特徴
3.2 今後の石炭火力設備利用率の試算
3.3 石炭火力設備新増設の事業性への影響
3.4 石炭火力新増設計画の見直しを迫られる事業者
4. 今後の石炭火力設備投資に影響する企業動向や政策の展開
4.1 電力ユーザー企業の石炭離れと脱炭素経済に向けた動き
4.2 温室効果ガス削減に向けた政府の動き
おわりに
<関連報告書>
世界の石炭ビジネスと政策の動向 ~パリ協定後の投融資を誤らないために~
(2016 年 10 月 公表)
本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。
このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。
プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。
このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 公益財団法人自然エネルギー財団
- 所在地 東京都
- 業種 各種団体
- URL https://www.renewable-ei.org
過去に配信したプレスリリース
【公表2本】太陽光発電の導入加速に向けた2本のレポート
9/5 12:00
【公表】太陽光発電の導入加速に向けた提言
7/25 13:30
【公表】グリーンスチールの市場形成にむけて:マスバランス方式活用の課題と条件
7/9 13:30
【公表・関連イベント6/21】脱炭素へのエネルギー転換シナリオ
6/19 13:40
【参加募集開始】JCI気候変動アクション日本サミット2023
2023/9/21
【報告書公表】2035年エネルギーミックスへの提案(第1版)
2023/4/11
【報告書公表】日本におけるグリーンスチールへの道:脱炭素製鉄への転換をめざして
2022/11/18
【登録案内・見どころ】JCI 気候変動アクション日本サミット2022
2022/10/3
【参加登録受付中 10/13オンライン】気候変動アクション日本サミット2021
2021/10/1