KIT増田チームが「金沢式まちや」を共同開発。北陸新幹線開業後の金沢の魅力向上を目指す
KIT増田チームが「金沢式まちや」を共同開発しました。単なる「復原町家」ではなく、町家が持つ優れた技術と様式を現代の建築学で解き明かし、設計に活かした新築住宅です。金沢のまちなみに調和しながら、断熱性能と近代的設備を完備した町家となっています。
2018年11月12日
金沢工業大学
金沢のまちなみに調和し、金沢特有の細長い宅地にも対応
断熱性能と近代的設備を完備した先進的な新築住宅。
KIT増田チームが「金沢式まちや」を共同開発。
北陸新幹線開業後の金沢の魅力向上を目指す。
KIT増田チームが「金沢式まちや」を共同開発しました。単なる「復原町家」ではなく、町家が持つ優れた技術と様式を現代の建築学で解き明かし、設計に活かした新築住宅です。金沢のまちなみに調和しながら、断熱性能と近代的設備を完備した町家となっています。
KIT増田チームは金沢工業大学建築学部増田達男教授の研究室が中心となった産学連携の開発チームです。国内外の多くの観光客で賑わう金沢が持つ魅力のひとつとして、まちなかに点在する歴史的住宅(町家)があります。ところがその大部分は取り壊され、残っている町家はほとんどが地域性のない姿に改装されているのが現状です。その一方で国内外から金沢が持つ歴史的住宅の魅力に気づき、求めている人が多くなっています。
KIT増田チームでは、こうした問題をはやくから認識し、2014年8月から「金沢式まちや」の共同開発に取り組んできました。
開発した「金沢式まちや」は延べ床面積が177平方メートル(54坪)で県産の天然木を使用。外観は金沢のまちなみに調和し、車2台のビルトイン車庫つき、金沢特有の細長い宅地にも対応しつつ、十分な採光と通風を確保しています。伝統と現代的生活様式を両立させ、長寿命で高齢者にも対応した先進的な新築住宅です。金沢のまちなみの魅力向上と歴史的住宅に住みたいというニーズの高まりへの対応を目指しています。
「金沢式まちや」の紹介(KIT増田チーム+ほそ川建設株式会社)
1.金沢で最も大切なもの
金沢が今賑わいを増しているのは、いうまでもなく新幹線効果です。しかし如何に新幹線が速かろうとも、そもそも金沢に魅力がなければ新幹線に乗って来る必要はないのです。話の筋をこのように転じると、改めて宝の山に気づくことができます。それは、金沢で最も大切なものです。答えは意外に簡単です。兼六園や茶屋街などの歴史的環境が大切であることは誰もが良く知るところです。さらに掘り下げれば、裏通りには歴史的住宅が点在しているではありませんか。これらも、かけがえのない金沢の財産です。歴史的住宅は実に、まち中に6,000軒も残っているのです。これらの宝をもっと大切にすれば、金沢の魅力はますます高まるに違いありません。
金沢の歴史的住宅
城下町金沢のまちなみ(CGによる復原)
2.失われた大切なまちなみ
しかしながら、これらの歴史的住宅や「まちなみ」の多くは、これまでに大部分が取り壊されました。残っている町家も、ほとんどが新建材で改装され、無機質で地域性のない姿に変わり果てました。北陸では車が必需品ですから、武士系住宅の前庭は取り払われて駐車スペースに転用されています。新しく建て替えられた住宅も、表側はすべて駐車スペースです。空き家も増え、取り壊された細長い跡地は活用が難しく歯抜け状態に陥っています。
このように、新建材・駐車スペース・歯抜け状態などによって、金沢のまちなみは大きく損なわれてしまいました。
3.手に入らない歴史的住宅
一方で、歴史的住宅の魅力に気づいて求める人々が皮肉にも増加しているのです。しかし手に入れることは、ほとんど不可能でしょう。何故なら、流通している物件があまりにも少ないからです。
4.解決策はないのでしょうか
ご安心ください。私たちのチームが有効な解決策を提案します。問題のすべてが一気に解決することでしょう。それが「金沢式まちや」です。
CGの「金沢式まちや」
細長い敷地に対応した中庭からの採光
5.「金沢式まちや」とは
■復原町家ではありません
先進的な現代設計の新築住宅です。400年を超える歴史に裏付けられた日本住宅の優れた技術と様式を、現代の建築学で解き明かし、さらに最大限に高めた結果、必然的に生まれた形です。
■長寿命で資産価値が永続きします
強靭な木組み構造です。柱や梁が見える造りですから木が湿らず長持ちします。自然木の魅力と安らぎを備えています。流行に左右されず飽きることがありません。
■金沢の「まちなみ」に調和します
金沢の魅力的な「まちなみ」にふさわしい趣きと佇まいを備えています。
■2台分のビルトイン車庫を備えています
金沢の外観様式を活かした2台分のビルトイン車庫を備えつつ「まちなみ」にも調和しています。この車庫には新たに開発した木造剛構造を採用しています。
■建築ラインを守ります
かつての町家の「まちなみ」は道路に近接して建築のラインをきれいに揃えていました。「金沢式まちや」も、この歴史的ラインを守ります。
■高さを控えています
正面の建築の高さを抑えて「まちなみ」への圧迫感を和らげています。
■狭くて細長い宅地でも大丈夫です
金沢特有の狭く細長い宅地にも対応し、中庭(坪庭)から十分な採光と通風を確保する汎用プランシステムを開発しました。
■憩いを「まちなみ」へ届けます
2階の前面に生活の中心となるLDKを設けることにより表の「まちなみ」へ生活の気配を届けます。
■県産の天然木を使用しています
すべて県産の天然木を多用して美しい木組みの豊かな生活を実現し、建設費は抑えています。
■快適な洋風の生活様式です
屋内は日本住宅の魅力と安らぎを確保しつつ、洋式の生活様式(椅子・テーブル)と近代的設備を完備しています。
■健康な断熱住宅です
断熱性能は最高ランクの4ですから、冷暖房費を削減し環境保全と健康維持につながります。
■高齢者にも対応します
高齢者対応のホームエレベータ設置スペースを備えています。
1階平面図
2階平面図
6.「まちなみ」を生みだす「金沢式まちや」
いいかえれば、「金沢式まちや」は「まちなみ」を生みだす住宅です。失われゆく「まちなみ」ではなく、新築ですから建てれば建てるだけ増える一方です。「まちなみ」に調和し、日本住宅の魅力に癒されつつ、現代生活を満喫できる理想的住宅です。金沢の最も大切な「まちなみ」づくりへ貢献し、まち中の都市居住を思う存分お楽しみいただきたいと存じます。
KIT増田チームのメンバー
・学校法人 金沢工業大学 増田達男研究室・増田達男教授、瀧田雄三
・有限会社 金沢設計・赤坂攻
・松川秀幸建築設計事務所・松川秀幸
・ほそ川一級建築士事務所
・フロム構造計画・竹村誠二
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 学校法人金沢工業大学
- 所在地 石川県
- 業種 大学
- URL https://www.kanazawa-it.ac.jp/
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