EY調査:ビデオゲーム産業の転換期にマーケットシェアを巡る新たな競争圧力が激化

EY Japan

20191218

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EY調査:ビデオゲーム産業の転換期にマーケットシェアを巡る新たな競争圧力が激化

■新規市場参入者が急増する一方、ゲームユーザー数は下降傾向にあると経営幹部の60%が回答

■新たなゲームの相次ぐリリースが市場競争に拍車をかけ、マージンが増加したと77%が回答

■人手不足の対応策として企業のM&Aが加速すると67%の回答者が予想

EYは、グローバルで実施した新しい調査「ビデオゲーム業界の次の試練に備え、どのように事業を強化していますか?」の結果を発表しました。本調査によると、世界のビデオゲーム業界の売上は過去5年間でほぼ2倍に増加しました。しかし、今後5年間は、新規市場参入者が流入してマーケットシェアを奪い合い、ビデオゲーム会社は一層厳しい競争を強いられることになるだろうとの見方を経営幹部の70%が示しています。

本調査で浮き彫りとなったのは、急成長を遂げ、世界中のユーザーを虜にしているゲームビデオ業界に新たな機会と挑戦の時代が到来したということです。注目すべき点として、新規市場参入者が市場に流入し続けている一方で、新たなゲームユーザー数が鈍化しているため、ビデオゲーム会社は代替収益源を模索していると68%が回答しています。また、77%の回答者によると、新しいゲームやタイトルが続々とリリースされ、競争圧力が高まっています。このような激しい競争環境の下、企業は独自のビジネス路線を展開しようと試みており、営業・マーケテイングコストは今後5年間で少なくとも10%増加するだろうとビデオゲーム会社の経営幹部の45%が述べています。

EYのグローバル・メディア&エンターテインメント・セクター・リーダーのJohn Harrisonは次のように述べています。

「ビデオゲーム業界の経営幹部らは今後の業界収益とビデオゲームの人気拡大について楽観的な見方を示していますが、企業は今、想定外の、異例の市場原理に直面しています。巨額の収益を生み出すことができた10年は終わり、成長率は鈍化し始めています。企業は今、高まるリスクに晒されながら、コンテンツ制作費の高騰や破壊的な新しいビジネスモデルの必要性に迫られています。このような状況を受け、経営幹部らは、事業を進化させ、競争優位に転じる機会を掴まなければならないというプレッシャーを感じています。」

【市場競争の加速化とコストの急上昇でビデオゲーム業界のマージン縮小】

概して、マージンを維持することは、企業にとってますます難しくなっています。79%の経営幹部らが、素晴らしいゲーム体験を提供できるコンテンツの開発コストは増加し続けていると回答しています。そして、42%が全体的な開発費は今後5年間で少なくとも10%は増加するだろうと予想しています。

今回の調査でさらに明らかになったことは、市場競争が人材獲得競争にまで発展しており、企業が人件費の高騰に直面しているということです。テクニカル人材やデザイナーの人件費が上昇し始めている点について42%の回答者が言及し、過半数(52%)が、開発およびテクニカル面の人材不足は今後5年間で加速するだろうと予想しています。この人材不足を解消するために、今後M&Aを選択する企業が増えていくだろうと経営幹部の67%が述べています。

ビデオゲーム業界の経営幹部らはさらに、信頼性の確保が不可欠である状況を踏まえると、サイバーセキュリティや規制コンプライアンスの強化に必要なコストも増加するだろうとの見方も示しており、最近発行された業界全体のサイバーセキュリティ関連問題に関する報告書を受けて、サイバーセキュリティコストは少なくとも10%増加するだろうと43%が回答しました。

【クラウドゲームやeスポーツが業界ディスラプターに】

また、今後のビデオゲーム業界を定義づける主要傾向とテクノロジーについても明らかになりました。クラウド型ゲームサービスを展開しない大手ゲーム会社は、5年後には不利な立場になることが予想され、63%の経営幹部が同様の見解を示しています。一方、70%の回答者が、5~10年以内にほとんどのトリプルA級ゲームがワイヤレスでクラウド配信されるようになるだろうと述べています。

Ernst & Young LLPのアドバイザリー・サービス・パートナーのScott Porterは次のように述べています。

「市場競争が激化していく中で、ビデオゲーム業界の次の大きなディスラプターとなるのはクラウド型ストリーミングでしょう。とりわけ、5Gなどのテクノロジーを活用したクラウドゲームの出現は、ビデオゲーム業界にとっては単なるビジネスチャンスというより、戦略的に不可欠なことです。このような機会を捉え最新のテクノロジーを採用すれば、大手企業は成長鈍化に歯止めをかけ、状況を一転させることができるかもしれません。」

EY Japan TMTセクターアドバイザリーリーダーの尾山哲夫は次のように述べています。

「様子見をしていた日本の大手企業もようやくオンラインゲームに本腰を入れ始めました。各社はより強力なプラットフォームを築くべく、コンテンツのみならず5G、Blockchainなどを活用し、より魅力的な顧客体験を提供するという競争優位を磨き始めています。」

また、eスポーツの普及がビデオゲーム業界全体のブランド認知度向上につながる可能性があるということも明らかになりました。eスポーツがビデオゲーム会社のブランド強化とイメージ向上にすでに大きく貢献していると感じている回答者は72%に上り、eスポーツが新しいゲームユーザーを取り込むパワーとなっていると70%の回答者が評価しています。しかし、eスポーツが新たな収益源として重要な位置付けとなるかどうかという点については回答者の間で見解が分かれています。23%の回答者が、今後5年間の業界収益の増加に対するeスポーツの貢献度合いについて否定的な見方を示しています。一方、10%まで増加するだろうと回答した人は34%、10%以上増加すると回答した人は43%でした。

その他の主な調査結果:

■83%の回答者が、新しく市場に投入されるゲーム数は増加していると答えました。

■69%の回答者が、数年以内に、ゲームユーザーはスマートフォンでトリプルA級ゲームをプレイできるようになると予想しています。

■67%の回答者が、全体的にビジネスリスクレベルが高まると予想しています。

■64%の回答者が、ブロックチェーンは新しい時代を切り拓くビデオゲーム業界にとって重要であると述べています。

※本プレスリリースは、2019年11月14日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

英語版プレスリリース:https://www.ey.com/en_gl/news/2019/11/ey-survey-reveals-video-gaming-industry-at-tipping-point-as-new-competitive-pressures-intensify-battle-for-market-share

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本ニュースリリースは、EYのグローバル組織のメンバーファームであるアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EYGM)によって発行されています。EYGMは顧客サービスを提供していません。

〈About the study〉

How is your business powering-up for the next video gaming challenge? is a survey of 236 global video gaming senior executives, spanning independent developers to the world's largest game publishers and with revenues ranging from US$1m more than US$1b. EY sought to gain insight into the opportunities and challenges video game executives are experiencing and how they can play them to their advantage. To read the survey in full, and for the latest insights from across EY Technology, Media & Entertainment and Telecommunications (TMT), visit ey.com/tmt.

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