ストラタシス社3Dプリンタ FORTUSシリーズ ドライバソフト「Insight」がアップグレード

丸紅情報システムズ株式会社は、取扱い製品であるストラタシス社製3Dプリンタ FORTUSシリーズのドライバソフト「Insight」のアップグレードにより、従来の造形時間を大幅に短縮することを実現するなど、性能やユーザビリティが向上したことを検証しました。

2014年6月16日

丸紅情報システムズ株式会社

ストラタシス社3Dプリンタ FORTUSシリーズ ドライバソフト「Insight」がアップグレード

造形時間を大幅に短縮することが可能な新機能を追加等、ユーザビリティを向上

丸紅情報システムズ株式会社(略称:エムシス/MSYS、本社:渋谷区渋谷3-12-18 社長:小川 和夫)は、取扱い製品であるストラタシス社(Stratasys Ltd. 本社:アメリカ ミネソタ州・イスラエル レホボト、米国株式市場NASDAQ:SSYS、CEO:デイビッド・ライス氏/Mr. David Reis)製3Dプリンタ FORTUSシリーズのドライバソフト「Insight」のアップグレードにより、従来の造形時間を大幅に短縮することを実現するなど、性能やユーザビリティが向上したことを検証しました。

FORTUSシリーズは、FDM方式(熱溶融積層法)によって三次元モデルを造形する3Dプリンタです。そのドライバソフトである「Insight」において、このたびVer. 8.1.1からVer. 9.1へアップグレードを実施。新たに加わった機能のうち、「Use Model Material」および「Stabilize Wall」を使いサポート部分の最適化が図られることにより、大幅な造形時間の短縮が期待できます。さらに、モデル材部分の中空形状パターンも新たに3種追加され、従来の強度を維持しつつ、より用途に合致する形状パターンを選択でき、またコスト削減も期待できます。詳細は下記の通りです。

■新機能(1):Use Model Material (ユーズモデルマテリアル)

3Dプリンタは造形物自体の材料であるモデル材と空間部分を支えるサポート材の2種類を射出しながら造形を行いますが、そのモデル材・サポート材の射出ノズル切り替えのため、造形中に各層ごとに待機時間を要していました。新機能の「Use Model Material」は、従来サポート材で形成すると見なされるエリアを、一部モデル材を用いるように設定する機能です。これにより、モデル部分・サポート部分の両方をモデル材で連続して造形することで、射出切り替えをする回数が減り、待機時間が削減され、全体の造形時間を大幅に短縮することが可能となりました。 一例として、当社が検証した(図1)のケースでは、ABS Plusを用いて造形したところ、従来の手法(「Use Model Material」機能非使用)では4時間44分、対して「Use Model Material」機能を使用した場合は2時間44分と、全体の造形時間を約42%削減できることが検証できました。

※Use Model Material使用有無による造形時間比較

<通常造形モード>

造形時間 : 4時間44分

モデル材量 : 27.401立方センチメートル

サポート材量 : 11.635立方センチメートル

<Use Model Material使用>

造形時間 : 2時間44分

モデル材量 : 37.926立方センチメートル

サポート材量 : 3.161立方センチメートル

*上記は一例であり、造形物によって所要時間は異なります。

■新機能(2):Stabilize Wall (スタビライズウォール)

厚みの薄い立壁等の不安定な形状の造形物を出力する際、造形中に倒れないように周囲にサポートの形成が必要となり、結果として造形時間が長時間にわたるケースがありました。新機能「Stabilize Wall」は、三角柱を並べたような中空構造でモデル材によりサポート部分を造形する機能です。これによって、サポート材を使用する層を減らし、モデル材とサポート材の射出切り替えを減らす事により、造形時間を短縮することが可能となりました。

一例として、当社が検証した(図2)のモデルでは、ABS-M30を用いて造形したところ、従来の手法(「Stabilize Wall」機能非使用)では144時間56分、対して「Stabilize Wall」機能を使用した場合は99 時間 45 分と、約31%削減できることが検証できました。また、サポート材の使用量も抑えることができ、コスト削減にも効果があると期待できます。

※Stabilize Wall使用有無による造形時間比較

<通常造形モード>

造形時間 : 144時間56分

モデル材量 : 4106.495立方センチメートル

サポート材量 : 4358.738立方センチメートル

<Stabilize Wall使用>

造形時間 : 99時間45分

モデル材量 : 7427.492立方センチメートル

サポート材量 : 62.548立方センチメートル

※上記は一例であり、造形物によって所要時間は異なります。

■新機能(3):モデル材内部の中空形状パターン 新3種追加

モデル材内部の中空形状パターン“スパーズ”に、新たに3種が追加されました。(図3) これらの新しい形状パターンでは、ソリッド形状よりも重量と密度を減らしつつ、強度を確保することができます。また、既存パターンと同様にモデル材使用量および造形時間削減の効果も期待することができます。なお、これらの活用用途としてはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)用溶解コアなどが挙げられます。

■その他新機能

・Circular SMART supports : Circular SMART supportオプションがSupport Parameterに追加されました。高く狭いサポート材部分を安定させるため、徐々に円形になるよう形状を変更させていく機能です。

・STL thumbnail images : STLファイルのサムネイルイメージを表示する機能です。

・Sacrificial tower : 自動的にsacrificial tower(ダミー)を追加するオプションがPackメニューに搭載されました。このタワーはモデル材で作られ、モデル材・サポート材切り替え時の最初の射出をこのタワーで造形し、他のモデルの仕上がりを改善する機能です。

・Estimate pack : pack画面上のデータの造形時間と材料使用量を予想するEstimateボタンがPackタブ画面に追加されました。

・Windows 8対応 : 対応OSにMicrosoft Windows 8 Pro、Enterpriseが追加されました。

<Insight9.1アップグレードについて>

対象機種のサポート(保守サービス)をMSYSとご契約中のユーザー様におかれましては、担当者より個別にアップグレードに関してご案内させていただきます。

※対象機種 : FORTUS 250mc/FORTUS 360mc/FORTUS 400mc/FORTUS 900mc

【ストラタシス社製3Dプリンタ WEBサイト】

3Dプリンタトータルソリューションサイト: http://www.marubeni-sys.com/de/3d_modeling/

【ストラタシス社について】

ストラタシスは、3Dプリンタの世界No.1シェア(*1)を誇る、3Dプリンタベンダーです。FDM方式・Polyjet方式の3Dプリンタを多数取り揃え、試作用途からデザイン検証、また実用部品の製造等、幅広くものづくりの現場に導入されています。当社は、約20年にわたりストラタシス社の正規販売代理店として同社製品を取り扱っています。2012年には、同社によって、世界で最もストラタシス社製品・サービスの販売に貢献した企業として、世界トップリセラーに認定されました。

(*1)出典 「Wohlers Report 2014」, p.118 : プロフェッショナル向けシステムの累計販売台数において

【丸紅情報システムズについて】

丸紅情報システムズは、最先端ITを駆使した付加価値の高いソリューションやサービスを、お客様視点で提供するソリューションプロバイダです。製造・流通・サービス・小売・金融業を中心とする様々な業界の知見と高度な提案力と、グローバルな視点からお客様の差別化に貢献する最先端技術やそれを活用した新しいソリューションの開発力が当社の強みです。ソリューションや製品、サービスを通じて、お客様の期待を超える新しい「価値」の創出でお客様のビジネスを支援します。

URL: http://www.marubeni-sys.com

<製品に関するお問い合わせ>

丸紅情報システムズ株式会社

製造ソリューション事業本部 モデリングソリューション部

電話:03-5778-8069/8583

*文中の製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です。

*ニュースリリース記載の情報は発表日現在の情報です。記載の情報は予告なく変更される可能性があります。

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プレスリリース添付画像

(図1)

(図2) Stabilize Wall

(図3) スパーズ 中空形状パターン新3種

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