バイオマス由来を判別できる新技術を開発

~低コスト・簡便なバイオベース炭素含有率測定法~

2025年2月26日

世界的にバイオマス製品の使用が推進され、容器・衣料品・液体燃料など様々な分野で導入が進められています。これに伴い、バイオマス由来を判別するバイオベース炭素含有率*測定技術が注目されています。従来は加速器質量分析を用いて測定されていましたが、装置が希少で測定コストが高いという課題がありました。

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、従来よりも低コスト実験操作も簡便バイオベース炭素含有率測定法の開発に成功しました。

今回開発した測定法は、一般試薬を使用した簡便な前処理と、取扱が容易で広く普及している液体シンチレーションカウンターで測定します。安価で簡便であることから、多くの試料を測定するスクリーニングとしての活用が期待できます。

*バイオベース炭素含有率:プラスチック等に含まれているバイオマス由来成分の炭素重量の割合

 

 

開発のポイント

・従来法と比較して、低コスト・簡便な測定法にも関わらず実用的な精度

・試料燃焼と有機塩基を用いたCO2捕集を前処理に応用することで、あらゆる有機物試料を測定可能。

・一般的な試薬を用いた簡単な前処理と、取扱いが容易で広く普及している分析装置を用いて、新たなバイオベース炭素含有率測定を実現。

開発した試料前処理装置

 

論文誌名:RADIOISOTOPES

掲載日:2025年3月15日(オンライン速報版:2025年2月22日)

論文タイトル:有機塩基を用いたCO2捕集による簡便なバイオベース炭素含有率測定法

著者:内田海路*、片岡憲昭 *責任著者

DOI:https://doi.org/10.3769/radioisotopes.740117

特許出願済: 特願2024-089831

都産技研では本技術の製品化を目指し、共同研究・開発を行っていただける企業を募集しています。興味のある方は下記までお問い合わせください。

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

開発した試料前処理装置

バイオマス由来と石油資源由来の炭素から合成したカルバミン酸誘導体の放射能測定の結果

参照物質から作成した検量線と、 バイオマスペレットから合成した カルバミン酸誘導体の放射能測定値

このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。

プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。

プレスリリース受信に関するご案内

このプレスリリースを配信した企業・団体

  • 名称 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
  • 所在地 東京都
  • 業種 その他製品
  • URL https://www.iri-tokyo.jp
  • ※購読している企業の確認や削除はWebプッシュ通知設定画面で行なってください
  • SNSでも最新のプレスリリース情報をいち早く配信中