ArcGIS、iField Indoor、DF.sensorの連携による屋内でのGIS活用の実証実験を実施

ESRIジャパン

ESRIジャパン、マルティスープ、クウジットが、複数の測位技術を組み合わせた屋内でのGIS活用に関する実証実験を開始する。スタッフの詳細な位置とイベント会場内の不特定多数の人流のデータを組み合わせ、これまで位置情報活用の空白領域であった屋内へのGIS展開を図る。

2016/05/25

ESRIジャパン株式会社

複数の測位技術を組み合わせた屋内でのGIS活用に関する実証実験を開始

GIS(地理情報システム)ソフトウェア国内最大手(*1)のESRIジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:正木千陽、以下ESRIジャパン)、マルティスープ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:那須俊宗、以下マルティスープ)、クウジット株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:末吉隆彦、以下クウジット)は、5月26日から5月27日まで、ESRIジャパンユーザ会が主催する「第12回GISコミュニティフォーラム」(参加無料・事前登録制)において、屋内でのGIS活用に関する実証実験を行います。

3社は当フォーラム会場にて、それぞれの技術を活用・連携させることで、会場内のスタッフの詳細な位置に加え、来場者を含めた大まかな人流の可視化・分析の実証に取り組み、これまで位置情報活用の空白領域であった屋内における新たな価値創出を目指します。

■本実証実験の背景

屋内測位技術の進歩により、これまで測位が難しかった屋内の位置情報の活用が注目されていますが、屋内測位には様々な方式があるため、効果的な位置情報の把握と分析・活用のためにはそれらを組み合わせる必要があります。

今回、マルティスープとクウジットの異なる屋内測位技術により取得した位置情報をESRIジャパンの可視化・分析技術と連携させることで、それぞれの測位技術の利点を活かしたデータの組み合わせと、地理空間的な視点を活かした可視化・解析シーンの可能性を広げる取り組みを行います。

■各社技術の特徴と実証概要

マルティスープは、マルティスープの屋内位置情報ソリューションである「iField Indoor」を用いて会場内のスタッフの詳細な位置情報を把握します。「iField Indoor」は工場、倉庫、病院などの施設内での人、車両、モノの位置を高い精度で把握でき、BLE(*2)ビーコンを中心に、PDR(*3)やWi-Fi、UWB(*4)など複数の屋内測位手段にも対応可能な屋内位置情報ソリューションです。

クウジットは、クウジットが開発した「DF.sensor」を用いて会場内の人の流れや滞留状況を把握します。「DF.sensor」は周辺で動作している無線LAN装置の数と滞在期間(滞留)を把握することができ、動線上に配置することでそれらの動き(人の流れ)の推定を可能にします。Wi-Fi機能さえあれば検知対象の端末にアプリケーションをインストールする必要がなく、MACアドレスも不可逆演算により匿名化するため、プライバシーを保護しながら不特定多数の人の流れを把握できます。

ESRIジャパンは、それらの位置情報を、インターネット経由で随時データ連携することにより、Web GISプラットフォームであるArcGISで可視化・分析し、会場のセッションや時間経過に伴う人流・滞留の変化や、それらに伴うスタッフの動き等から新たな知見を得ることを試みます。

 なお本実証の可視化・解析の一部はGISコミュニティフォーラム展示会場内のインドアGISブースで紹介しています。

■今後の展望

「iField Indoor」によるスタッフの詳細な位置情報と「DF.sensor」による不特定多数の人流・滞留状況を可視化・分析することにより、アプリケーションをインストールしてもらうことなく顧客や来場者の流れや滞留を把握し、それに対応するスタッフや設備の位置を最適化するなどの活用の可能性が考えられます。

マルティスープ代表取締役の那須俊宗は、下記のように述べています。

「この度、「GISコミュニティフォーラム」において「ArcGIS」、「DF.sensor」、「iField indoor」の連携を実現することができ、喜ばしい想いです。会場内では、「事業者(iField indoor)」と「来訪者(DF.sensor)」というコンテキストが大きく異なる対象を2種類の先進的な測位形式で位置推定し、リアルタイム表現と収集データの資産化を実現した上で、世界に誇る空間情報エンジン「ArcGIS」での分析・解析を実現します。位置・空間情報技術に携わるプレイヤーの想い「見えなかったコトを見えるようにする」、屋内測位技術とネットワークの進歩とともに、このような素晴らしいことが実現できる世界になりました。ぜひ「GISコミュニティフォーラム」に来場いただき、その世界を感じ取っていただければ幸いです。」

クウジット取締役CTOの塩野崎敦は、下記のように述べています。

「今回、世界中でデファクトスタンダートとなっており、多くの自治体でも導入実績のある地理情報システム「ArcGIS」と「DF.sensor」の連携を実現することができ、たいへんうれしく思います。これにより、弊社の「DF.sensor」システムが、より多くの方々に、ご活用頂けることを期待しています。また、位置空間情報領域で経験豊富なマルティスープ社とともに、独自のソリューションや強みをお互い持ち寄り連携することで、屋内位置空間情報領域において、幅広い技術課題解決のニーズに応えることができる体制が整ってきました。今後、さらなる技術開発と連携をしていきますので、どうぞご期待ください!ぜひ「GISコミュニティフォーラム」にご来場いただければと思います。」

ESRIジャパンビジネス開発グループ部長の鈴木茂雄は今回の共同実証の意義を次のように捉えています。

「現在「ArcGIS」の製品群はWebを中心に構成するGISプラットフォーム、「Web GIS」 として進化しており、さまざまな場面で誰もがGISを活用して知見を獲得できる環境が整いつつあります。屋内のGIS活用もそうした活用領域拡大の一つです。今回のマルティスープ社、クウジット社の測位方式の異なるセンシングプラットフォームとの連携は、多様な測位方式に対応できるGIS基盤としての「ArcGIS」の強みを引き出してくれました。今後も連携を深め、得られたデータの組み合わせや、地理空間的分析を屋内で応用することで新たな価値の共創につなげてまいります。」

(*1)テクノシステムリサーチ調べ

(*2)Bluetooth Low Energy。低電力で通信が可能なBluetoothの仕様の一つ。

(*3)歩行者自律航法。加速度・地磁気・角速度を用い、歩幅や方向などの情報を元に 現在位置からの相対位置を計算する測位方法。

(*4)Ultra Wide Band。超広帯域を使用した通信方式による測位方法。

■商標に関する表示

・記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

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プレスリリース添付画像

実証における各社システム間連携のイメージ

ArcGISの可能性が屋内にも拡大

GIS活用の空白領域を埋めるIndoor GIS

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  • 所在地 東京都
  • 業種 ソフトウエア・SI
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