オンライン酒イベントに参加しませんか?
酒好きほぼ100人に聞く酒飲みのミカタ(アンケート
コロナ禍で日本酒やワインなど試飲イベントは中止を、酒造工場は見学の休止を余儀なくされています。けれども巣籠が始まってほぼ1年、各種の酒イベントや酒造工場見学をオンラインで開催する動きが広がっています。従来のファンからの喜びの声だけでなく、会場が遠い、日程が合わないなどの理由で参加できなかった方々からの歓迎の声も上がっています。 今回の酒好きほぼ100人に聞く酒飲みのミカタは、オンラインの酒イベントについてお聞きしました。
■ビール工場&酒蔵のリアルな見学は7割が経験あり
最初にリアルな酒造工場見学や酒のイベントにこれまでに参加した経験をお聞きしました。もっとも参加経験者が多かったのは「ビール工場見学」で、僅差で「日本酒の酒蔵見学」が続きました。どちらも 7 割を超えています。大手ビールメーカーは近年、見学者の受け入れに積極的です。某社は「工場を見学された方は当社へのロイヤリティが強まるので、ご満足いただけるよう見学内容や見せ方に工夫を凝らしている」と言います。また、日本酒の酒蔵もおしゃれなゲストハウスを設けたり、土日も見学に対応したりして、見学者を受け入れるところが増えています。「ワイナリー見学」は 56 %、「ウイスキー蒸溜所見学」も 52 %にのぼりました。総じて工場見学の参加経験の方が多い傾向があります。
ビールメーカーは見学者の受け入れに熱心だ。サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野(府中市)より
酒イベントのなかでは「日本酒のイベント」が54%でトップです。都道府県単位で酒蔵が集まって開く試飲会、純米酒や古酒だけを集めた試飲会、フードペアリングの体験会、酒蔵の開放イベントなど、日本酒のイベントはバリエーションが豊富です。これに次いだのは「ビールのイベント」です。クラフトビールのブルワリーが集まるビアフェスは、大都市部だけでなく全国各地で開催されています。オクトーバーフェストやベルギービール・ウィークエンドなど、気軽に飲食を楽しむパーティ型のイベントが多いのが特徴です。
弊社が運営する「おでんで熱燗ステーション」は毎回満席となる日本酒の人気イベント(JR両国駅)
パーティ型イベント「ベルギービール・ウィークエンド」は主要都市で年間のべ50日以上開催する(六本木ヒルズ)
また、酒造工場見学や酒イベントに一度も参加したことがない方が1割強いらっしゃりましたが、参加したことがない理由は「遠方で参加できない」「ハンドルキーパー(車の運転のため試飲しない人)がいないから」という声が目立ちました。
■オンライン開催の認知は4割
酒造工場見学や酒イベントはコロナ禍で、現在は多くがリアルでの実施を見合わせています。代わって増えているのがオンラインでの開催です。セミナーの視聴権が付いた試飲キットを販売して、決まった日時にオンラインでセミナーを開いたり、事前に準備した工場の紹介動画を織り交ぜながらライブで工場を案内したりする企画です。酒類メーカーが企画するケースや、旅行代理店が仮想ツアー商品として販売するケース、小売りや卸売り業者が主催するものもあります。
こうした試みについての認知を尋ねると、「詳しく知っている」は12%で、「知っている」の27%と合わせて約4割が認知していました。「詳しく知っている」と回答した方は、オンラインでのセミナーや工場見学に参加した経験があると思われます。
■オンラインイベントは日本酒関係が人気
次にこれまでに開催されたオンライン酒イベントを例挙して、参加したいものを選んでもらいました(複数回答)。第一位は「酒蔵見学&日本酒試飲セミナー」(54%)、続いて「人 気酒場による日本酒と料理の相性セミナー」(39%)と日本酒関連のものが上位を占めました。これは弊社のモニターに日本酒好きな方が多いことも影響していると思われます。3位は「ウイスキー蒸溜所見学」、4位は「ビール工場&ホップ畑見学会」でここまでが30%を超えており、以下、「ワイナリー見学会&ワイン試飲セミナー」「ブレンダーによるウイスキー試飲セミナー」と続きました。
日本酒の酒蔵見学と試飲セミナー企画は、規模やテーマも多彩で頻繁に開催されている(李白酒造・松江市)ワイナリーの見学会は収穫期の秋に多く開催された(サントリー登美の丘ワイナリー・甲斐市)
また、オンラインでの酒イベントに参加したことがある方に、印象に残っている企画を自由に記述してもらったところ、試飲や見学の内容だけでなく、参加者との交流やその場で質問に答えてもらえる双方向性を評価する声が目立ちます。
●ヤマグチ酒フェア:オンラインで山口県の蔵元が蔵の中を案内してくれて、その後は配布されたお酒の説明を聴きながら試飲する。質問にも答えてくれる。その後、参加者達で自由に酒談義をしたのが楽しかった。(男性・60代)
●鹿児島県の焼酎イベント:事前に送られてきた本格焼酎のミニボトルと鹿児島県産のソーダで「かごんまハイボール」を作ってみんなで乾杯してとても楽しかった。(女性・40代)
● イタリアのワイナリーツアー試飲付き:現地と繋いで見学。お話もオンラインならではでたくさん聞けてよかった。時差があったのもリアルな感じだった。(女性・50代)
■「リアルでは見られない工程を見られる」がオンラインの醍醐味
最後にオンラインでの酒造工場見学で魅力的だと思う要素を聞いてみました。群を抜いて多かったのは「リアルな工場見学では見られない工程が見られる」で6割を超えました。以下、「工場のスタッフがライブで案内してくれる(43%)」「工場限定の商品が買える(36%)」「リアルな見学と同じように試飲ができる(35%)」と続きます。酒イベントや酒造工場見学に参加したことがない理由に、遠方なので参加できないことや、ハンドルキーパーがいないという声があることを紹介しましたが、オンラインでの工場見学はこうしたハードルをなくします。リアルな見学では見られない工程を見られることとともに、オンラインならではの魅力と言えましょう。
2月にサントリーが山崎と白州の蒸溜所で開始したリモート蒸溜所ツアー「オンライン・ライブ」は、リアルな見学を再開した後も継続して開催を予定しています。事前に日時を指定して見学会を申し込み、見学会では事前に送られた試飲キットをガイドと一緒に試飲します。リアルとオンラインを組み合わせて、消費者との接点広げる取り組みは、これから増えていくと思われます。
山崎蒸溜所と白州蒸留所の「オンライン・ライブ」試飲キット(左)。日時を予約してこのキットを購入して参加する。
発酵槽の中の様子などリアルでは見られない部分が見られ、質問にもその場で回答
最後はガイドと一緒に試飲キットを試飲する。
【調査概要】
●調査時期:2021/2/17~2/26
●調査方法:インターネットアンケート
●サンプル数:104人(お酒好きな人)
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 株式会社酒文化研究所
- 所在地 東京都
- 業種 食料品
- URL http://www.sakebunka.co.jp/
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