ビール&チューハイの新製品を試しましたか?

酒好きほぼ100人に聞くアンケート「酒飲みのミカタ」

酒文化研究所

2021年5月5日

酒文化研究所

今年のビール類&チューハイの新製品が出揃いました。ビール類は家飲みシフトがしばらく続きそうなことから、自宅で外飲み気分を味わえる商品や糖質ゼロや微アルコールなど健康を意識した商品が並びました。チューハイはレモンサワー関連商品が続々です。今回の酒好きほぼ100人に聞く酒飲みのミカタは、ビール類とチューハイの新製品の飲用状況について聞きました。

もっともよく飲むビール類「スーパードライ」「一番搾り」「金麦」

 最 初に回答者のビール類の飲用状況を見ておきましょう。よく飲む銘柄をすべて聞いた後で、もっともよく飲む銘柄を選んでもらいました。

 よく飲む銘柄は「アサヒスーパードライ」、「キリン一番搾り」、「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」と続きます。5番目の「ヱビスビール」まで上位はすべてビールです。この後に新ジャンルが登場し、「サントリー金麦」、「本麒麟」、「サッポロ麦とホップ」と続きました。

 もっともよく飲む銘柄はトップが「アサヒスーパードライ」(17%)で、「キリン一番搾り」が12%で2位。これに続いたのが新ジャンルの「サントリー金麦(10%)」です。この銘柄はよく飲む銘柄としては21%で6番目でしたから、そのほぼ半数(48%)が「もっともよく飲む」と回答したことになり、ロイヤリティの高いファン多いことが窺われます。ちなみにこの数値(「もっともよく飲む」÷「よく飲む」)は「サントリー金麦」がトップでした。

香味の「軽重」「苦みの程度」「香りのタイプと強弱」で選択

 次にビール類を選ぶ時に何を重視しているかを見てみましょう。今回の回答者の好みの味わいは「飲みごたえのある重厚な味わい」と「すっきり軽快な味わい」がほぼ同数となっています。味わいの軽重で大きく分かれたうえで、3位以下の項目の視点から商品を選択していると言えそうです。

  3位は「苦みの程度(36%)」です。近年はビール専門パブでは、ビールの苦みの強さを明示しているケースが多くなりました。若年層はビールの苦みを好まないといわれて久しいですが、好みの味わいを知る手掛かりとして重要な指標ひとつです。

 4位は「価格の安さ(28%)」です。ビール類の酒税率の一本化が進みつつありますが、2026年にビールと新ジャンルの税率が同じになっても、新ジャンルはビールよりも安価で、リーズナブルなビール類として市場を形成すると予想されています。

 5位は「香りのタイプと強弱(23%)」です。クラフトビールではホップの香りを前面に出したジューシーIPAといわれるスタイルが急成長しています。大手メーカーの商品でも『サントリー・ザ・プレミアム・モルツ香るエール』はフルーティな香りをアピールして人気です。

ビール類新製品の飲用経験率は4月末で約2

  では、ビール類の新製品の飲用状況を見てみましょう。今期のビール類の新製品から「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶(蓋が全開しジョッキのように飲める缶)」「キリン スプリングバレー豊潤〈496〉(家飲みで楽しむクラフトビール)」「パーフェクトサントリービール(おいしいのに糖質ゼロのビール)」「*アサヒビアリー(アルコール0.5%のビアテイストの炭酸飲料*首都圏、関信越エリア限定)」「アサヒ ドライ・ザ・クール(アルコール度数4%のドライビール)」の5つについて、「試したいと思うもの」と「試したもの」を聞きました。(*アンケートでは( )内の商品の補足説明を付記して回答を求めた)

 

 試してみたいものは「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」がトップで64%、「キリン スプリングバレー豊潤〈496〉」が49%、「パーフェクトサントリービール」が39%となりました。飲用経験はいずれもまだ2割前後で評価はこれから、気に入ったという方のコメントはどれも、商品コンセプトのとおりの評価です。

缶入りチューハイはサントリーVSキリンが顕著

  最後に缶入りチューハイの新製品の飲用経験を見てみましょう。この分野で2強と言われるサントリーとキリンの攻勢が目立ちます。サントリーは「こだわり酒場の〈追い足しレモン〉」が25%、「-196℃〈ザ・まるごとレモン〉」が15%、一方、キリンは「発酵レモンサワー」が35%、「麹レモンサワー」が15%です。新製品を試した方からは「最近の缶入りレモンチューハイはとてもおいしくなった」という評価が相次ぎ、甘さとレモン感のバランスで、自身の好みの商品を探している様子が浮かびます。

 ところで今期の新製品の多くはアルコール度数が7%以下です。昨春から自宅で過ごす時間が長くなり、早い時間から晩酌する方が増えました。同時に飲酒をコントロールする意識も強くなっています。アルコール度数の低い商品が増えたのは、こうした時代変化に対応したと考えられます。ノンアルコールの缶入りチューハイも好調で、3月に発売された「サトリーのんある晩酌レモンサワー ノンアルコール」は約2か月で販売数量が1000万本を超えるヒットとなったと報じられています。飲酒をコントロールする意識の高まりは確かなようです。■

【調査概要】

●調査時期:2021/4/21~2021/4/28

●調査方法:インターネットアンケート

●サンプル数:103人(お酒好きな人)

 

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